日曜社会学 - ルーマン・フォーラム / エスノメソドロジー番外地

Sunday sociology - Luhmann Forum / Ethnomethodology: on the edge of nowhere
公開:20161227 更新:20161229

社会学研究互助会08: ギルバート・ライルの現象学と 概念分析の社会学 エスノメソドロジー
社会学研究互助会09: ピーター・ウィンチ『社会科学の理念』と 概念分析の社会学 エスノメソドロジー

この頁には、2014年03月01日 ならびに 2016年12月25日に開催した 社会学研究互助会例会(第8&9回)の趣旨文と配布資料を掲載しています。

  ギルバート・ライルの現象学 ピーターウィンチの『理念』  
» 研究会概要と趣旨
  小宮友根「エスノメソドロジーにおけるライル」 浦野 茂「エスノメソドロジーにおける『理念』」  
  植村玄輝「ライルと現象学」 山田圭一「アプリオリな概念分析とはどのようなものか?」
  村井忠康「ライルとアスペクト」 笠木雅史「分析哲学の伝統における概念分析」  
前田・水川・岡田 編『ワードマップ エスノメソドロジー─人びとの実践から学ぶ』 酒井・浦野・前田・中村編『概念分析の社会学─社会的経験と人間の科学』 酒井・浦野・前田・中村・小宮 編『概念分析の社会学2─実践の社会的論理』

研究会概要

概要

ギルバート・ライルの現象学とエスノメソドロジー ピーター・ウィンチ『社会科学の理念』とエスノメソドロジー
  • 日時: 2014年3月1日 13:00~18:00
  • 場所: 東海大学高輪校舎 1203教室
  • 登壇者: 各報告者に次の内容で30分程度の報告をお願いしています。
    • 小宮友根(社会学)[エスノメソドロジーとライルとの関わりについての紹介]
    • 植村玄輝(哲学)[ライルによる現象学へのコメント論文5本の紹介]
    • 村井忠康(哲学)[ライルの動詞分類を契機とするアスペクト論の展開と 最近の行為論や心の哲学におけるその継承具合を紹介]
  • 司会:酒井泰斗(ルーマン・フォーラム)
  • 参加資格: 研究会当日までに下記指定の文献A-Cを通読してこれる方
  • 日時: 2016年12月25日 13:00~18:00
  • 場所: 成城大学 8号館3F 831
  • 登壇者: 
    • 笠木雅史(哲学)「分析哲学の伝統における概念分析―ウィンチとその時代」
    • 山田圭一(哲学)「アプリオリな概念分析とはどのようなものか? -ウィンチとウィトゲンシュタインの比較を通じて」
    • 浦野 茂(社会学)「エスノメソドロジストは『社会科学の理念』をどう受け止めたか」
  • 司会:酒井泰斗(ルーマン・フォーラム)
  • 参加資格: 研究会当日までに下記指定の文献A-Cを通読してこれる方
  • 後援: エスノメソドロジー・会話分析研究会

「ライルの現象学」文献

  範囲
文献A 必須 前田ほか編『ワードマップ エスノメソドロジー』 すべて
文献B 必須 ライル『心の概念』
  • 村井報告メインテキスト: 第5章「傾向性 dispositions と 事象 occurrences」
  • 村井報告サブテキスト: 第7章「感覚と観察」
文献C 必須 ライル『ジレンマ―日常言語の哲学』
  • 村井報告サブテキスト: 第7章「知覚」
文献D 参考 酒井ほか編『概念分析の社会学』
  • 余力の範囲で関心のもてそうな章を幾つか。

「ウィンチの『理念』」文献

文献A 必須 ウィンチ『社会科学の理念』
文献B 必須 前田ほか編『ワードマップ エスノメソドロジー』
文献C 必須 酒井ほか編『概念分析の社会学2 ─ 実践の社会的論理』
文献D 参考 酒井ほか編『概念分析の社会学 ─ 社会的経験と人間の科学』

趣旨

第三期の社会学研究互助会では、2011年以降、『概念分析の社会学2』の刊行へ向けた準備作業のひとつとして 連続研究会を行ってきました。なかでも2013年9月には、研究主題の広がりを概観するために、政治思想史・哲学・社会学・医学史の専攻の方に登壇をお願いして を開催しました。
 第8回・9回例会は、この続編として・また本研究会の最終回として、エスノメソドロジー研究の与える知見の身分とはどのようなものなのかをテーマとする二つの催しとして企画しました。これら例会では この大テーマについて、 というかたちで、部分的に議論してみたいと思います。
 とはいえまた この課題は、 といった事情により、いまのところ、直接に取り組むのが難しいものでもあります。したがって今回は、ハードルをあまり上げることなく、今後のディスカッションの前提とするための「情報交換」を趣旨とした会にしようと思います。

想定している研究会参加者は、 です。この論題に関心のある方のご参加をお待ちしております。
なお、参加に際して哲学に関する知識の多寡は問いません(本例会は「哲学の研究会」ではありません)。
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登壇者プロフィール

ライルの現象学

村井忠康(お茶の水女子大学非常勤講師)

分析哲学におけるカント的伝統の継承者たち(ストローソン、セラーズ、マクダウェルなど)の仕事を手がかりとして、知覚経験の(非)概念性、自己意識の問題などに取り組んできました。最近は、知覚と行為の分析におけるアスペクト(相)の重要性を強調する動向を踏まえたうえで、カントの知覚論と判断論を再考できないかと画策しています。
翻訳
ジョン・マクダウェル『徳と理性:マクダウェル倫理学論文集』(共訳、勁草書房、2016年)
ジョン・マクダウェル『心と世界』(共訳、勁草書房、2012年)
論文
「経験における概念のゆくえ」、小熊正久・清塚邦彦(編著)『画像と知覚の哲学』、東信堂、2015年。
「自己意識への二つのアプローチーーオックスフォード新カント主義からカントへーー」、カント研究会編『カントと現代哲学(現代カント研究13)』、晃洋書房、2015年。
「超越論的演繹を投げ捨てることの難しさーーマクダウェルの治療的カント解釈をめぐって」、『日本カント研究』、日本カント協会、14号、2013年。

植村玄輝

フッサールを中心とした現象学の研究をこれまで行なってきました。それと同時に、フッサールを中心としない現象学のあり方をいかにして描くかということにも興味があり、初期の現象学派(「ミュンヘン・ゲッチンゲン学派」)や現代哲学への現象学的なアプローチといった話題にも手を伸ばしています。
著書
『真理・存在・意識:フッサールの『論理学研究』を読む』(知泉書館、2017年刊行予定)。
共編著
『ワードマップ現代現象学』(新曜社、2017年刊行予定)
翻訳
ヒューバート・ドレイファス&チャールズ・テイラー『実在論を立て直す』(共訳、法政大学出版局、2016年)。
トゥオマス・タフコ編『アリストテレス的現代形而上学』(共訳、春秋社、2015年)
論文
「フッサールの反心理主義批判」、『哲學』、日本哲学会、第66号、2015年、127–142頁。
「現象学的実在論と感覚の関係説」、『現象学年報』、日本現象学会、第31号、2015年、99–107頁。
“Husserl’s conception of Cognition as an Action. An Inquiry into its Prehistory.” In Feeling and Value, Willing and Action. Essays in the Context of a Phenomenological Psychology, M. Ubiali & M. Wehrle (eds.), Dordrecht: Springer, 2015, 119–137.

小宮友根

主に法とジェンダーの領域でエスノメソドロジー/会話分析研究に取り組んでいます。ここ数年は模擬評議の研究を軸に取り組んでいますがあまり進んでいません。最近は福島県で被災地復興に取り組む人々の活動の記録にもかかわっています。
著書
『実践の中のジェンダー:法システムの社会学的記述』(新曜社、2011年)
共編著
『概念分析の社会学2:実践の社会的論理』(ナカニシヤ出版、2016年)
共訳
ボードワン・デュプレ「「真実」を語ること─テロを非難するテレビ映像のエスノメソドロジー分析─」(『東海法学』49、2015年)
論文
「裁判員は何者として意見を述べるか」(『法社会学』79号、2013年)

ウィンチの『理念』

笠木雅史(京都大学文学研究科・日本学術振興会特別研究員PD、大阪大学基礎工学研究科・招へい准教授)

分析哲学・実験哲学を専門にしています。いろいろな主題を研究していますが、最近は特に分析哲学の方法論に関心を持っています。
著書:
『学生を思考にいざなうレポート課題』(成瀬尚志編、2016年、ひつじ書房
論文:
“Knowledge, Evidence, and Inference” (The Philosophical Forum, 2016)
“The Traditional Conception of the A Priori” (with C. S. I. Jenkins, Synthese, 2015)
“Subject-Sensitive Invariantism and Isolated Secondhand Knowledge” (Acta Analytica, 2014)

山田圭一(千葉大学人文社会科学研究科・准教授)

一般的に、言語哲学、認識論、心の哲学、知覚の哲学と呼ばれるあたりの哲学的問題についてあれこれ考えるとともに、これらの問題を考える際の拠り所としてウィトゲンシュタインの哲学を研究しております。最近西阪先生との議論を通じて、ようやく(遅すぎ!)エスノメソドロジーとウィトゲンシュタイン哲学とのつながりの根っこの部分が少しずつ分かってきたような気がしているところなので、今回の研究会を通じてそのあたりの理解をより深められることを願っております。
著書:
『ウィトゲンシュタイン最後の思考-確実性と偶然性の邂逅-』勁草書房、2009年)。
訳書:
フィッシュ, W.『知覚の哲学入門』(山田圭一:監訳、源河亨・國領佳樹・新川拓哉:訳、勁草書房、2014年)。
編著:
『これからのウィトゲンシュタイン——刷新と応用のための14篇』(荒畑靖宏・山田圭一・古田徹也編、リベルタス出版、2016年)。
論文
「アスペクト転換において変化するもの-ウィトゲンシュタインの二つのアスペクトの分析を通じて-」、小熊正久・清塚邦彦(編著)『画像と知覚の哲学』、東信堂、205-223頁、2015年。
“What is Wittgenstein's View of Knowledge?”, 千葉大学人文社会科学研究, 33号, pp.16-27.2016.

浦野 茂(三重県立看護大学看護学部教員)

おもな研究関心は、人間・社会科学や医学の専門的知識が日常的生活実践との間に作りあげている多様な関係を記述・解明することです。現在は、発達障害や精神障害をもつ人びとの実践に学びながら、これらの障害概念の基盤について社会学の観点からどんなことが言えるのか、試行錯誤しているところです。L. ウィトゲンシュタインやP. ウィンチの議論は、こうした概念を生活状況の具体性のなかで捉えるさいに、エスノメソドロジーとともにとても参考になると感じています。
編著:
『概念分析の社会学2――実践の社会的論理』(酒井泰斗・浦野茂・前田泰樹・中村和生・小宮友根編:ナカニシヤ出版、2014年)
『概念分析の社会学――社会的経験と人間の科学』(酒井泰斗・浦野茂・前田泰樹・中村和生編:ナカニシヤ出版、2009年)
訳書:
リンチ, M.『エスノメソドロジーと科学実践の社会学』(水川喜文・中村和生監訳:勁草書房、2012年)
論文:
「当事者研究の社会的秩序について――経験の共同的研究実践のエスノメソドロジーに向けて」『保健医療社会学論集』27(1), 18-27, 2016年
「言いっぱなし聞きっぱなし――自閉スペクトラム症当事者による当事者研究における物語り」『ナラテイヴとケア』6, 92-101, 2015年(綾屋紗月、青野楓、喜多ことこ、早乙女ミナリ、陽月トウコ、水谷みつる、熊谷晋一郎との共著)
「発達障害者のアイデンティティ」『社会学評論』64(3), 492-509, 2013年.
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