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作成 2021.12.30|更新 2023.12.15

日米経営学史茶話会(2022年1月~)

出典:日本能率協会(2009)「潜在能力の組織的発揮~『働く人の喜び』を生み出す経営~」

梅崎修・南雲智映・島西智輝(2023)『日本的雇用システムをつくる 1945-1995』 佐々木聡(1998)『科学的管理法の日本的展開』 ゲイリー・レイサム(2007)『ワーク・モティベーション』 岩出 博(1989)『アメリカ労務管理論史』 山崎敏夫(2017)『企業経営の日独比較』 松永伸太朗・園田薫・中川宗人編(2022)『21世紀の産業・労働社会学』 出口剛司・武田俊輔 編(2022)『社会の解読力〈文化編〉』 尾高邦雄(1958/1963)『産業社会学』 尾高邦雄編(1956)『鋳物の町』 尾高邦雄(1953)『産業における人間関係の科学』
梅崎修・南雲智映・島西智輝(2023)『日本的雇用システムをつくる 1945-1995』

このページには2022年1月から開催している読書会の案内と記録を公開しています。

読書会の趣旨と概要

 敗戦後の日本企業に、アメリカの経営学的知識は主に2つのルートでもたらされました。1つは占領軍がもたらしたTWI、MTP、CCS講座といった各種経営教育プログラムや、経済団体の訪米視察団などを通してアメリカから直接的な知識移転を行うもの(Okazaki-Ward 1993; 山崎 2014)、もう1つはアメリカの最先端科学を学んだ研究者たちが、学術研究のかたわら一般向けの啓蒙活動を行なったり、指導学生が就職して企業経営に携わるようになることを通して(八代ほか編 2010)、アカデミア経由で間接的な知識移転を行うものでした。
 本茶話会ではこれまで 後者のアカデミア経由での知識移転に注目し、その中心にいた人物の一人、社会学者尾高邦雄の1950年代の著作を主に検討してきました。そして、尾高がアメリカの経営学的知識(人間関係論)を利用して研究を進めると同時に、その知識を積極的に企業や一般社会へも紹介しながら、次第にそれが正しく受容されないことへの不満を示すようになっていったことを確認してきました(尾高1952, 1956, 1958)
 それでは尾高が紹介したようなアメリカの経営学的知識は、日本においてどのように受容されたのでしょうか。それが正しい仕方でなかったというのであれば、元々アメリカにおいてはどのように受容されたものだったのでしょうか。
 本茶話会では、アメリカの経営学的知識を受容する日米の社会の違いを視野に入れながら、それぞれの経営学の展開について関連文献を読み理解を深めていきたいと考えています。経営学(史)に関心がある方はもちろん、経営や労働の実践に関心がある方、日米の社会(学)史に関心がある方など、多様な関心の方の参加を歓迎します。(井島大介 記)

文献

追記(2022年8月1日)

2022年8月より、会の名称を「尾高邦雄読書会」から「日米経営学史茶話会」に変更しました。

概要

日程

開催日 対象・範囲 担当者
第一回 2022.01.24(月) 19:00- 『産業における人間関係の科学』 井島大介
第二回 2022.02.26(土) 10:00- 『鋳物の町―産業社会学的研究』 宮地俊介
第三回 2022.03.28(月) 19:00- 『産業社会学』 林 凌
第四回 2022.04.29(金) 19:00- 武岡暢「尾高邦雄はなぜ職業社会学を維持できなかったか——もうひとつの職業概念に向けて」
in 出口・武田編『社会の解読力〈文化編〉』 新曜社、2022年
第五回 2022.05.27(金) 19:00- 松永伸太朗・園田薫・中川宗人編『21世紀の産業・労働社会学:「働く人間」へのアプローチ』 ナカニシヤ出版、2022年
  • 序章「「働くこと」の社会学を再考する:産業・労働社会学の21世紀的展開と展望」(松永 伸太朗・中川 宗人・園田 薫)
  • 第1部「企業と労働市場 イントロダクション:働く場の境界,構造,変容に迫る」
    中川宗人「経営モデルの企業組織への導入:1940~60年代における「人間関係論」を対象として」
  • 第3部「企業・労働市場と労働者をめぐる理論と学説 イントロダクション:社会学はいかに「働くこと」を捉えるのか」(園田 薫)
    園田 薫「日本の産業・労働社会学の学説史的反省:経済現象を捉える領域社会学との関係性に着目して」
  • 終章「21世紀の産業・労働社会学の構想に向けて:領域社会学における境界認識の転換とプラットフォーム化」(園田 薫・中川宗人・松永伸太朗)
第六回 2022.06.21(火) 19:00- 山崎敏夫「ヒューマン・リレーションズの導入の日独比較」(第4章)
『企業経営の日独比較―産業集中体制および「アメリカ化」と「再構造化」』 森山書店、2017年
第七回 2022.07.29(金) 19:00- 岩出博『アメリカ労務管理論史』 三嶺書房、1989年
  • 序章 アメリカ労務管理論史研究の現状と課題
  • 第Ⅰ部 アメリカ労務管理論の発達
    • 第1章 アメリカにおける労務管理の成立
    • 第2章 生成期のアメリカ労務管理論
    • 第3章 発展期のアメリカ労務管理論
    • 第4章 確立期のアメリカ労務管理論
第八回 2022.08.29(月) 19:00- 岩出 博『アメリカ労務管理論史』 三嶺書房、1989年
  • 第II部 アメリカ労務管理論の新展開
    • 第5章 人的資源理念の生成
    • 第6章 伝統的労務管理論の新展開
    • 第7章 人間関係論的労務管理論の新展開
    • 第8章 組織行動論的労務管理論生成の可能性
    • 第9章 システム論的労務管理論生成の可能性
第九回 2022.09.23(金) 10:00- 岩出 博『アメリカ労務管理論史』 三嶺書房、1989年
  • 第III部 アメリカ労務管理論の展望
    • 第10章 アメリカ労務管理論の発展史的系譜
    • 第11章 QWL:新たな労務管理理念としての可能性
    • 第12章 アメリカ労務管理論の方向
第十回 2022.10.25(火) 19:00- 岩出 博『アメリカ労務管理論史』 三嶺書房、1989年
  • 第III部 アメリカ労務管理論の展望
    • 第10章-結章
 
第11回 2022.11.29(火) 19:00- ゲイリー・レイサム、『ワーク・モティベーション』 NTT出版、2009年。[訳者による書籍紹介]
  • 序章 科学者/実践者の人生における十三の転機
  • 第Ⅰ部 二十世紀 過去を知る
    • 第1章 1900-1925 生物学、行動、金銭
 
第12回 2022.12.28(水) 19:00- ゲイリー・レイサム、『ワーク・モティベーション』 NTT出版、2009年。
  • 第Ⅰ部 二十世紀 過去を知る
    • 第2章1925-1950 初期の実証主義の時代
    • 第3章1950-1975 理論の出現
 
第13回 2023.01.24(火) 19:00- ゲイリー・レイサム、『ワーク・モティベーション』 NTT出版、2009年。
  • 第Ⅰ部 二十世紀 過去を知る
    • 第4章 1975-2000 従業員は深く考える
 
第14回 2023.02.28(火) 19:00- ゲイリー・レイサム、『ワーク・モティベーション』 NTT出版、2009年。
  • 第Ⅰ部 二十世紀 過去を知る
    • 第5章 二十世紀の議論の数々
  • 第Ⅱ部 二一世紀 現在を検証する 2000-2005
    • 第6章 欲求―モティベーションの原点
 
第15回 2023.03.23(木) 19:30- ゲイリー・レイサム、『ワーク・モティベーション』 NTT出版、2009年。
  • 第II部 二一世紀 現在を検証する 2000-2005
    • 第7章 
    • 第8章 
 
第16回 2023.04.26(水) 19:30- ゲイリー・レイサム、『ワーク・モティベーション』 NTT出版、2009年。
  • 第Ⅱ部 二一世紀 現在を検証する 2000-2005
    • 第9章 
    • 第10章 
 
第17回 2023.05.22(月) 19:30- ゲイリー・レイサム、『ワーク・モティベーション』 NTT出版、2009年。
  • 第II部 二一世紀 現在を検証する 2000-2005
    • 第11章
  • 第III部 将来の方向性と潜在的な方向違い
    • 第12章
  • 第IV部 エピローグ
    • 第13章
 
第18回
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第22回
2023.06.26(月) 19:30-
2023.07.24(月) 19:30-
2023.08.30(水) 19:30-
2023.10.21(土) 10:00-
2023.12.02(土) 10:00-
佐々木 聡、『科学的管理法の日本的展開』 有斐閣、1998年。  
第23回 2023.12.27(水) 19:30- 梅崎修・南雲智映・島西智輝、『日本的雇用システムをつくる 1945-1995――オーラルヒストリーによる接近』 東京大学出版会、2023年。
  • 序 章 日本的雇用システムの歴史的パースペクティブ
 

参加申込

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