20210318 作成|20210908 更新

セリア・ホデント『ゲーマーズブレイン』

開催趣旨 読書会概要 参加申込 目次と日程 参考資料 主催
「ゲーム研究読書会」では、日本語で読める現代ゲーム研究の著作を、ゲーム開発者、研究者、プレイヤーなど、様々なバックグラウンドを持つ皆さんと読んでいます。
2017年7月に開始し、これまでに下記の本を取り上げました。
  1. [2017年07月~09月] イェスパー・ユール(2005→2016)『ハーフリアル』読書会
  2. [2018年01月~03月] イェスパー・ユール(2013→2015)『しかめっ面にさせるゲームは成功する』
  3. [2018年11月~2019年07月] 中川大地(2016)『現代ゲーム全史 ─ 文明の遊戯史観から』
  4. [2019年10月~2020年12月] 松永伸司(2018)『ビデオゲームの美学』
 ビデオゲームだけでなく、AI研究、認知科学、計算機史・社会科学史、UXデザイン、社会実験、美学・哲学、文学理論、映画学…など、多様な関心・バックグラウンドをお持ちの方のご参加を歓迎します。読書会の参加申込み手続きについては、「参加申込」の項を御覧ください。
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セリア・ホデント(2017)『ゲーマーズブレイン』読書会(2021年5月~)

セリア・ホデント 『ゲーマーズブレイン』

 2017年6月から始まったゲーム研究読書会も今春で第5期を迎えることができました。この読書会はゲーム開発者、エンジニア、哲学や社会学など人文学の研究者、法実務家、コンサルタント、メディア関係者といった多様なバックグラウンドを持つ参加者が課題図書を読み進めながら積極的に意見交換をしていくのが特徴です。
 今期取り扱う本は『ゲーマーズブレイン──UXと神経科学におけるゲームデザインの原則』(セリア・ホデント 著)です。著者のセリア・ホデント氏は、パリ大学ソルボンヌ校で発達心理学の博士号を取得した後、ゲーム業界でのキャリアをスタートさせました。ユービーアイソフトを経てルーカスアーツで『Star Wars: 1313』(2015年に開発中止)の開発に携わった後、Epic Games『Paragon』(2016年)『フォートナイト』(2017年)などのユーザーエクスペリエンスディレクターを務めました。現在はフリーのコンサルタントとして活動しています。
 『ゲーマーズブレイン』は認知科学に基づいたゲームUXデザインについて考察する本です。人間の脳に関する通説やよくある誤解を解き、その仕組みを理解した上で、グラフィックデザインからUI、ゲーム全体の設計がユーザーたちにどのような動機づけや感情、あるいはバイアスを呼び起こすかをさまざまな市販のゲームの例を紹介しながら解説していきます。本書で言及されるデザイン思考やユーザー調査、アナリティクス、UX戦略はゲーム開発者やゲーム研究者のみならず、アプリやサービスの開発に携わる開発者やデザイナー、メディア・広告業界などのバックグラウンドの方々にとっても有益な知識となるはずです。今期も多くの方のご参加をお待ちしております。(高橋ミレイ)

 『ゲーマーズブレイン』は、心理学・神経科学の知見をゲームデザインに応用するという明確な意図で書かれた本です。著者自身の経歴が如実に示しているように、アカデミックな研究が理想的なかたちでゲーム開発に活かされているケースではないかと思います。
 この本は、経験的な研究がベースにありつつも、プレイヤーの経験(UX)をモデル化するフレームワークを提示する部分が少なくありません。その点で、理論的な領域(たとえば心の哲学、美学、デザイン理論など)に関心を持つ人にも十分にアピールするものになっています。
 この研究会でこれまで読んできた人文学的なゲームスタディーズよりも、もっと地に足のついた、また開発の実践に直接役立つ(少なくともそれが意図された)内容が期待できるはずです。(松永伸司)

読書会概要

参加申込

参加資格

参加申込

目次・日程・担当

  開催日 章タイトル 頁数 担当者 トピック
第01回 2021年
05月12日(水)
Chapter 1 ゲーマーの脳に着目すべき理由   高橋ミレイ(CuePoint/編集者)  
第02回 2021年
06月09日(水)
Chapter 2 脳に関する概要   酒井泰斗(会社員/行動科学史)  
第03回 2021年
07月14日(水)
Chapter 3 知覚   津田裕之(慶應義塾大学 KGRI 特任助教/実験心理学、認知神経科学)
第04回 2021年
08月11日(水)
Chapter 4 記憶   小野憲史(東京国際工科専門職大学/ゲームジャーナリズム)
第05回 2021年
09月08日(水)
Chapter 5 注意、Chapter 6 動機づけ   中川大地(フリーランス/ゲーム、テクノロジー、社会文化史全般)
第06回 2021年
10月13日(水)
Chapter 7 情動、Chapter 8 学習原理   橋迫瑞穂(立教大学社会学部兼任講師、他/宗教社会学)
第07回 2021年
11月10日(水)
Chapter 9 脳を理解する   水野勇太(スクウェア・エニックス/ゲームAI研究・開発(メタAI))
第08回 2021年
12月08日(水)
Chapter 10 ゲームユーザー体験   知久 温(株式会社トイロジック/ゲームデザイン、ビデオゲーム開発など)
第09回 2022年
01月12日(水)
Chapter 11 ユーザビリティ   常田 裕士(富士通コンピュータテクノロジーズ/コンピュータシステムの設計)
第10回   Chapter 12 エンゲージアビリティ   茂内克彦(自営業/ビデオゲーム研究)
第11回   Chapter 13 デザイン思考   濱田隆史(インディーゲーム開発者/ゲームデザイン)
第12回   Chapter 14 ゲームのユーザー調査    
第13回   Chapter 15 ゲームアナリティクス    
第14回   Chapter 16 UXストラテジー    
第15回   Chapter 17 おわりに  
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参考資料

読書会で紹介されたり話題になったりしたリソースを記載していきます。

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プロフィール

主催者

高橋ミレイ(編集者・ライター)
CuePoint代表。モリカトロンAIラボ編集長。企業のオウンドメディアの運営やコンサルティングに携わりつつ、書籍・雑誌・Web媒体でテクノロジー、サイエンス、ゲーム、ビジネスなどの分野を執筆。好きなゲームのジャンルは推理アドベンチャーとRPG。
酒井泰斗(会社員/ルーマン・フォーラム管理人)
関心領域は道徳科学~社会科学の歴史。最近は 20世紀中葉のアメリカ社会諸科学における思考の道具の一つとしての「ゲーム」が気になっています。

アドバイザー

松永伸司(京都大学文学部メディア文化学専修准教授) [researchmap]
主に分析美学の道具立てで主にゲームを扱っています。
著書に『ビデオゲームの美学』慶應義塾大学出版会、2018年)、 訳書にイェスパー・ユール『ハーフリアル』(ニューゲームズオーダー、2016年)、 ネルソン・グッドマン『芸術の言語』(慶應義塾大学出版会、2017年)、 ミゲル・シカール『プレイ・マターズ』(フィルムアート社、2019年)など。
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