日曜社会学 - ルーマン・フォーラム / エスノメソドロジー番外地

Sunday sociology - Luhmann Forum / Ethnomethodology: on the edge of nowhere
20180905 作成|20181115 更新

中川大地『現代ゲーム全史』

開催趣旨 読書会概要 参加申込 目次と日程 参考資料 主催
「ゲーム研究読書会」では、日本語で読める現代ゲーム研究の著作を、ゲーム開発者、研究者、プレイヤーなど、様々なバックグラウンドを持つ皆さんと読んでいます。
2017年7月に開始し、これまでに下記の本を取り上げました。
  1. [2017年07月~09月] イェスパー・ユール(2005→2016)『ハーフリアル ― 虚実のあいだのビデオゲーム』読書会
  2. [2018年01月~03月] イェスパー・ユール(2013→2015)『しかめっ面にさせるゲームは成功する──悔しさをモチベーションに変えるゲームデザイン』
  3. [2018年11月~] 中川大地(2016)『現代ゲーム全史 ─ 文明の遊戯史観から』
 ビデオゲームだけでなく、AI研究、認知科学、計算機史・社会科学史、UXデザイン、社会実験、美学・哲学、文学理論、映画学…など、多様な関心・バックグラウンドをお持ちの方のご参加を歓迎します。読書会の参加申込み手続きについては、「参加申込」の項を御覧ください。
今後読書会で取り上げる候補として、下記の書籍が挙がっています:

中川大地(2016)『現代ゲーム全史 ─ 文明の遊戯史観から』読書会(2018年11月~)

中川大地『現代ゲーム全史』

 中川大地さんの『現代ゲーム全史』は、読書の愉悦が書物を通して出会うさまざまな事物との対話によってもたらされることを実感させてくれます。そして、評論は大上段に何かを評価して、決定づけるために書かれるものではなく、読む人たちが、それについてさまざまな角度から語りあう糸口を与えてくれるものだということを教えてくれます。
 ゲームについて私たちが語る時、ストーリーや世界設定、それらの背景にある文化や社会情勢、UIやUXをふくむゲームデザイン、ハードウェアとソフトウェアを支えるテクノロジーなど、多様な側面から分析することができます。また、それなしにはゲームを正確に理解することは難しいでしょう。そのような意味でも『現代ゲーム全史』はさまざまな示唆を与えてくれます。
 今回の読書会では、中川大地さんをお呼びして開催いたします。ゲームをはじめとするコンテンツに関わる方はもちろん、多種多様なバックグラウンドを持つ方の参加をお待ちしております。(高橋ミレイ)

著者自身による書籍紹介

 その名の通り、日米を中心としたデジタルゲームの通史です。縦軸には20世紀後半、第二次世界大戦後のコンピューター技術の発展と歩を合わせた社会史的なフレームを、横軸にはホイジンガ−カイヨワ以来の遊戯研究に立脚した文明論的なフレームを用いることで、なるべく大きな視点からデジタルゲームという営為のもつ人文的な意義を粗描することが、本書の主眼にあります。
 「歴史を書く」という行為は、なるべく最小限の事実の集積から全体性や法則性を類推することでもありますが、それでも伝え残さなければならない時代時代の多面性や息吹の厚みとのせめぎ合いで、かなり大部の著作になってしまいました。そのため、特に理論的な抽象を志向した前半部と、筆者が必要最低限と感ずる網羅性を志向した後半部とで、いささか未整理な印象を読者に与える本になっているかもしれません。それでも、情報技術によって増幅された〈 競技ルドゥス〉と〈遊戯パイディア〉の原理のせめぎ合いが私たちの現実を塗り替えつつあるという本書のストーリーラインが、ちょうど刊行当時に絶頂期を迎えていた『ポケモンGO』の社会現象化によって実感的に伝わりやすくなったのは幸運でした。
 以来、ゲームと社会をめぐる状況は目まぐるしく変化を遂げていますが、その底にあるものへの色々な切り口からの洞察や、一人一人の多様な関心と体験に即した読みに出会えることを楽しみにしています。(中川大地)

参考リンク

読書会概要

参加申込

参加資格

参加申込

目次と日程

  開催日 章タイトル 頁数 担当者 トピック
第1回 2018年
11月14日(水)
序章 14 高橋ミレイ(編集者)  
第1章 「ゲーム」の黎明 26 酒井泰斗(会社員/デザイン) 総動員体制下における計算機科学の発展。コンピュータゲームの黎明
第2回 2018年
12月12日(水)
第2章 「宇宙」が育んだゲームカルチャー 22 鈴木香織(東京大学 大学総合教育研究センター 特任研究員/美術史学、デジタルゲームの個別作品研究)  
第3章 ビデオゲーム産業の成立   常田裕士(会社員/システム設計)  
第3回 2019年
01月09日(水)
第4章 日本ゲームの揺籃   工藤郁子(マカイラ株式会社/中京大学経済研究所/情報法政策)  
第5章 ファミコン登場に至る道筋   宮元雄史郎(筑波大学人文・文化学群人文学類4年次/史学・オーストリア近代史)  
第4回 2019年
02月13日(水)
第6章 パックス・アメリカーナ   高田敦史(会社員/ゲーム開発)  
第7章 ニンテンドー・ウォーの世界   小林佳世(NTTドコモ)  
第5回 2019年
03月13日(水)
第8章 世紀末ゲームのカンブリア爆発   武井陽太郎(一橋大学大学院・経営管理研究科)  
第9章 和ゲー成長期の終わり   竹内未生(会社員/哲学とポピュラーカルチャー)  
第6回 2019年
04月10日(水)
第10章 「ゲーム」を離れ始めたゲーム   ○○○(機械学習関連の開発)  
第11章 デジタルゲームをめぐる地殻変動   今井 晋(IGN JAPAN/美学・音楽研究・ゲームジャーナリズム)  
    終章    
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プロフィール

主催者

高橋ミレイ(編集者・ライター)
CuePoint代表。ライター、編集者、リサーチャー。企業のオウンドメディアの運営やコンサルティングに携わりつつ、書籍・雑誌・Web媒体でテクノロジー、サイエンス、ゲーム、ビジネスなどの分野を執筆。好きなゲームのジャンルは推理アドベンチャーとRPG。
酒井泰斗(会社員/ルーマン・フォーラム管理人)
関心領域は道徳科学~社会科学の歴史。最近は 20世紀中葉のアメリカ社会諸科学における思考の道具の一つとしての「ゲーム」が気になっています。

アドバイザー

松永伸司(東京藝術大学美術学部教育研究助手) [researchmap]
主に分析美学の道具立てで主にゲームを扱っています。
イェスパー・ユール『ハーフリアル』(ニューゲームズオーダー、2016年)、ネルソン・グッドマン 『芸術の言語』(慶應義塾大学出版会、2017年)を訳しました。
『ゲーム研究の手引き』(文化庁、2017年)など、ゲーム研究全体の見取り図を作る仕事もしています。
ちかぢか単著『ビデオゲームの美学』慶應義塾大学出版会、2018年)が出ます。
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