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この頁には、佐藤俊樹『社会科学と因果分析:ウェーバーの方法論から知の現在へ』読書会(2019年3月~8月) における担当者の配布資料を掲載しています。
読書会第二回の開催日は2019年4月14日(日)、会場は東京大学本郷キャンパス、担当者は 坂井晃介さん(社会学)、北田暁大さん(社会学)の二名でした。
「組織として」である/でないの区別の位置づけにも、[ルーマンと私は]意見のちがいがある。例えば、ルーマンは組織システムには二分コードがないと述べている。私は、「組織として」の区別が組織の二分コードであり、ルーマンが二分コードの有無でとらえようとした事態は、むしろコード値と言及問題の区別のあり方のちがい、例えばコードとプログラムの意味論的な分離の程度のちがいではないか、と考えている[佐藤2009: 27]。この文言から解釈すると、著者はルーマンの二項コードとは別個に、様々な事象に対する意味付けをする際用いられる区別を「二項コード(二分コード)」と呼び、それが自己言及に用いられることもあるし、ルーマンのいう意味での二項コードとしても働くこともある、と考えていると思われる。