エスノメソドロジー |
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この本は、おもに学部生や社会学隣接領域の研究者などを対象としたエスノメソドロジーの入門的概説書です。「すぐれたEMの入門書は、それ自体、すぐれた概念分析の書でもあるはずだ」という考えのもとで、エスノメソドロジーのもっとも基本的な 考え方を解説しています。若手研究者を中心とした執筆陣が 研究会を重ねて、互いの原稿を繰り返し検討しあいながらつくりました。
このコーナーには、内容の概略がうかがえる「立ち読み」用の記事を掲載しています。購入や教科書採用の検討の際に 参考にしていただければと思います。
「エスノメソドロジーってなんすか?」という学生には、今後は間髪を入れず「まずはこの本を読みなさい」といって追い返すことができる。当分はスタンダードな教科書でありつづけるだろう。またそれに限らず、広く社会学方法論に意識的であろうとする人にとって、読めば必ず何かを得られる本だと思われる。── 加藤秀一さん(明治学院大学社会学部) blog「旅する読書日記」 2009年1月11日
若き研究者による平易で充実した解説書。これで日本のエスノメソドロジー研究の奥行きが広がるだろう。── 好井裕明さん(筑波大学人文社会科学研究科) 『週刊読書人』12月28日号 2007年回顧総特集
本書は、初心者向けの「ワードマップ」シリーズの一冊であるにもかかわらず、EMの第一線の研究動向への招待という位置づけもできる [...]。 [...]
全般を通して概念の統一がとれており、さらに、強調が明示された文体といい、本全体の構成といい、巻末の FAQ といい、執筆者たちの編集の努力がうかがえる。 [...]
具体的で明快な説明と、カバーするトピックの幅広さを両立させた、本書の著者たちのコラボレーションを評価したい。── 山田富秋さん(松山大学人文学部) 『週刊読書人』 2007年10月26日 第4面
[...] エスノメソドロジーあるいは相互行為分析と呼ばれる潮流のなかには、ウィトゲンシュタイン哲学と密接な関係を持ちつつも、「クリプケンシュタイン(クリプキ流のウィトゲンシュタイン解釈)」の問題設定から距離を置き、コミュニケーションの経験的な描出に取り組んだ研究が少なからずある。エスノメソドロジーや相互行為分析に付いて俯瞰する能力は持たないが(前田泰樹・水川喜文・岡田光弘編『エスノメソドロジー』〔新曜社〕が啓発的な導入書となっていると思う)、日本人の書いた作品として、私がもっとも感銘を受けたのが、相互行為分析と、ウィトゲンシュタイン派的な概念分析とを精緻に援用しながら、社会的領域の外部にあると思念される心的事象の社会性をつまびらかにした西阪 仰『心と行為』(岩波書店)である。 [...] / ところでウィトゲンシュタインの言語哲学は言語行為論や、それを含む語用論に影響を与えたといわれるが、標準的な語用論とエスノメソドロジーの関係はなかなかなに微妙である。深く(理論的にも人的にも)連携しているものの、見逃せない重要な差異もある(らしい)。ウィトゲンシュタインを表立って取り上げている訳ではないが、この点をきわめて丁寧に論じているのが、串田 秀也『相互行為秩序と会話分析』(世界思想社)だ。コミュニケーションについての理論が用いる「話し手」という概念そのものを、経験的研究の成果にもとづきながら問い返す見事な社会学の作品である。── 北田 暁大さん(東京大学大学院情報学環) 「ブックガイド 社会の批評:3 ウィトゲンシュタインと社会学」『思想地図〈vol.5〉特集・社会の批評』 (2010/03、NHK出版)
はじめに I エスノメソドロジーのアイデア──実践に学ぶ 第1章 エスノメソドロジーのアイデア II エスノメソドロジーの論理──なぜ実践に着目しなければならないか 第2章 行為を理解するとは、どのようなことか 第3章 秩序があるとは、どのようなことか 第4章 合理的であるとは、どのようなことか 第5章 規範があるとは、どのようなことか |
III エスノメソドロジーの記述──実践の記述に向けて 第6章 会話をする 第7章 会話における実践 第8章 ワークの実践 第9章 実践における理解 小論 EMにおける実践理解の意味とその先にあるもの コラム よくある質問と答え ■ 参考文献 ■ 文献解題 ■ 索引 |
※詳細目次は EMCA研究会の紹介ページ に掲載されています。
EM基礎概念間の関係の見取り図。本書(第 I 部、第 II 部)の構成に対応しています。
※WEB掲示用に若干の修正をおこなっています。なお、ところどころ文字がつぶれているのは仕様です。
各部のとびらに付されたオリエンテーションの言葉。全文掲載しています[→]。
第 I 部 エスノメソドロジーのアイデア ──実践に学ぶ
第 II 部 エスノメソドロジーの論理 ──なぜ実践に着目しなければならないか
第 III 部 エスノメソドロジーの記述 ──実践の記述に向けて
エスノメソドロジーFAQ。解答のいくつかを部分掲載しています[→]。
この項では、日本語で読めるものを中心に、エスノメソドロジーの基本文献を紹介しました。紹介されている文献タイトルは下記のとおり(本文は掲載していません)。
人名・事項索引 の項目一覧[→]。
誤 | 正 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|
文献一覧 | ||||
{欠} | → | Pomerantz, A. (1978). Compliment responses: Notes on the co-operation of multiple constraints. In Studies in the organization of conversational interaction (pp. 79-112). Academic Press. | 文献情報の欠落 |
誤 | 正 | 備考 | ||
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p.191 注(4) | ウィトゲンシュタインを解釈としてものとして | → | ウィトゲンシュタインを解釈したものとして | |
人名索引 | ||||
(1) | Anscomb | → | Anscombe |
誤 | 正 | 備考 | ||
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参考文献 | ||||
p.(25) Sの項 | Schegloff, E. A., 1992, "Repair After Next Turn: The Last Structurally Provided Defence of Intersubjectivitiy in Conversation," American Journal of Sociology, 98 : 1295-1345. | → | Schegloff, E. A., 1992, ... American Journal of Sociology, 97 | ページ数の誤記 |
誤 | 正 | ||
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第1部 第1章 [1-1] | |||
p. 5 ll.7-8 | 「陪審員は …… 量刑を決めていくものです」 | → | 「陪審員は …… 有罪・無罪の評決を行います」 |
p. 5 l.8 | 「審議過程」 | → | 「審議過程(法学用語では評議過程。ここでは広範な意味を含め審議を使う)」 |
p. 5 l.15 | 「罪の有無や重さを判断する」 | → | 「罪の有無を判断する」 |
p. 6 注(6) ll.2-3 | 「最高裁の判例」 | → | 「最高裁の決定」 |
p. 6 注(6) l.8 | 「毎日新聞 二〇〇四年十一月一一日」 | → | 「毎日新聞(MSN毎日インタラクティブ) 二〇〇四年十一月一一日」 |
第1部 第1章 [1-4] | |||
p. 34 注 (9) l. 7 | 『シークエンスの組織(2006)』 | → | 『シークエンスの組織(2007)』 |
第2部 第2章 [2-2] | |||
p. 49 l. 9 | 「集結」 | → | 「終結」 |
p. 49 注 (3) l.17 | 「集結」 | → | 「終結」 |
第2部 第3章 [3-2] | |||
p. 64 注(1) l.17 | 「Mevin Pollner」 | → | 「Melvin Pollner」 |
p. 67 l.18 | 「Garfinke & Wieder」 | → | 「Garfinkel & Wieder」 |
第2部 第4章 [4-2] | |||
p. 92 ll.6-7 | 「探求」 | → | 「探究」 |
p. 92 ll.12-13 | 「科学の現場(たとえば実験者)に入り」 | → | 「科学の現場(たとえば実験室)に入り」 |
第3部 第6章 [6-4] | |||
p. 148 l.3 | 「他人だろうどちらでも」 | → | 「他人だろうがどちらでも」 |
p. 149 注(1) l.3 | 「カリフォルニア大学校」 | → | 「カリフォルニア大学」 |
p. 149 注(1) ll.8-9 | 「褒められてたときの反応」 | → | 「褒められたときの反応」 |
第3部 第7章 [7-1] | |||
p. 156 項目概要ll.3-4 | 「自分の情念にもとづいて」 | → | 「自分の信念にもとづいて」 |
第3部 第8章 [8-2] | |||
p. 192 注(6) | 「積極的人工物」 | → | 「ポジティヴな人工物」 |
小論 | |||
p. 248 ll.12-13 | 「もともとの社会学のあり方に戻ってしまう人も」 | → | 「もともとの社会学のあり方に戻ってしまう研究も」 |
よくある質問と答え 「個別事例について極端に精密な記述を・・・・」 | |||
p. 265 上段 l.14 | 「再現なく」 | → | 「際限なく」 |
参考文献 | |||
p.(16) Gの項 | Goffman 1967 広瀬秀彦 | → | Goffman 1967 広瀬英彦 |
p.(23) Nの項 | 中村和夫 | → | 中村和生 |