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そのほか |
スピリチュアリズムの歴史をたどっていくと、肯定派の見解だけでなく、懐疑派ないしは否定派の見解にも目を向けざるを得ない。
当時の新聞や雑誌や書簡をもとに何が起こっていたのかを追いながら、当事者たちの見解や考えかた、そして信奉者と批判者の論争に目を通していくと、そこには形而上学、生理学、心理学、物理学などと関連する興味深い諸問題があることに気づかされた。
本書は、一級の知識人たちまでもが霊現象の真偽をめぐる論争に巻き込まれていった時代を振り返りながら、その当時のできごとの記録を通して見えてくる諸問題を提示し、それらを再考することを試みた。それらには現代の宗教的ないしスピリチュアルな分野に関わっている方々にとっても、いま一度目を向けるべき価値のある問題が多々含まれていると思う。また、懐疑派の方々にも、過去の時代の形而上的な世界をめぐる議論、とりわけ当時のサイキカル・リサーチの研究の過程は、いまなお興味深く読んでいただけるはずだ。(「はじめに」)スピリチュアリズム懐疑派を公言する著者が、批判を目的とするのではなく、あくまで当時の資料に忠実にスピリチュアリズムの歴史を繙こうとした本書を、私たちと一緒に読んでみませんか?
この読書会は、〈見れば誰でも推論なしに言えること〉を基本的な共有資源として使いながら読解を進めていくことを目指す「データセッション型読書会」です。セッションのデータとなるのは、著者が書いた文章そのものです。関連知識の多寡にかかわらず、実際に各人の眼の前に書かれて在る文章にもとづいて議論を進めようとする姿勢があれば どなたでもご参加いただけます。(福冨雅美)
記載事項 | 注記 | |
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頁数 | |||
第1部 スピリチュアリズムの台頭 |
第1章 源流――メスメリズムからアンドルー・ジャクソン・デイヴィスまで | メスメルと動物磁気/ピュイゼギュールと磁気睡眠/メスメリズムの神秘主義化/アメリカに進出するメスメリズム/フレノメスメリズム/新たな啓示/アメリカのスウェーデンボルグ主義/医学的透視能力/啓示に至る四段階/超自然的なソースなのか?/霊的権威をめぐる問題 |
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第2章 ムーヴメントのはじまり――フォックス姉妹による霊との交信 | フォックス家から報告された不可解な騒音/交霊会のはじまり/リフォーマーたちに広まる霊との交信/公共の場での交霊会へ/ニューヨークのセレブリティとなったフォックス姉妹/ラップ音の調査とトリックの暴露/続々と現れるミディアムとムーヴメントの広がり/交霊会と女性の役割/食いちがう霊たちからのメッセージ | ||
第3章 社会改革運動の夢――霊的テクノロジーから霊的社会主義のユートピアまで | フェルプス家での霊現象/霊の言語の解読/「電気」と「磁気」と霊現象/ミディアムになった博愛主義者/ヒーラーとしての目覚め/第三の時代を告げる預言者へ/電気の幼子/霊的社会主義のユートピア/スピリチュアリズムと社会改革/女性トランス・ミディアムと「女らしさ」の規範 | ||
第4章 エンターテインメント化する交霊会――霊のキャビネットから空中浮遊まで | クーンズ家の「霊の部屋」でのコンサート/ロープ抜け/霊のキャビネット/奇術疑惑/ミディアムと奇術師のあいだ/ペレット・リーディングとダーモグラフィー/ダニエル・ダングラス・ヒューム登場/事実を敬愛し名誉棄損を憎む/スラッジ氏/一八六〇年代アメリカン・インヴェイジョン/イギリス産スピリチュアリズムのはじまり | ||
第5章 科学――霊の存在を証明しようとした科学者たち | メスメリズムからスピリチュアリズムへ/イギリスにおけるメスメリズムの広がり/テーブル・ターニングとオド/ヒプノティズムの誕生/テーブル・ターニングの原因/スピリットスコープ/科学的自然主義とXクラブ/科学者は交霊会で何を見たか/霊現象を認めたファラデー/科学と宗教の分断/霊界での適者進化の法則/ロンドン弁証法協会/何が可能で、何が不可能なのか/サイキック・フォースの発見/狼人間メスメリズム説/不朽の誠実さ/転向者たち/クルックスによる実験の結論/物質化し歩き回る霊 | ||
第6章 スター・ミディアムたちの光と影――全身物質化と劇場としての交霊会 | モーゼスによる『霊の教え』/全身物質化のはじまり/ケイティ・キングはフローレンス・クックの偽装なのか?/人間の手で捕まえられた霊/写真におさめられた物質化した霊/クルックスの隠された想い/ダーウィンの不安/ダーウィン家での交霊会/ハクスリーが交霊会で見たもの/ミディアム VS ミディアム/物質化された霊の不気味な姿/全身物質化のトリック/「言語に絶するできごと」/光と影/英国心理学協会/クルックスとエリファス・レヴィ | ||
第7章 変容するムーヴメント――スピリチュアリズムからオカルティズムへ | オカルティズムとエソテリシズム/エディ兄弟と全身物質化/懐疑派もゆらぐできごと/聖なる真実のための闘い/ケイティ・キングふたたび/全身物質化の暴露とそれへの反論/スピリチュアリズムのリーダーたちはスクールボーイにすぎない/ジョン・キングの自画像/オリエンタル・カバラ/神智学協会の設立へ/調和哲学 | ||
第2部 サイキカル・リサーチ |
第8章 不可知論を超えて――マインド・リーディングからSPRの設立まで | スレート・ライティング/告発されたミディアム/四次元空間の証明/精神の直接作用と第六感/マインド・リーディング VS マッスル・リーディング/サイキカル・リサーチ協会の設立/シジウィックとキリスト教への懐疑/マイヤーズとスピリチュアリズムへの希望/SPR以前のシジウィック・グループ/不滅への願い/事実の上に事実を、実験に次ぐ実験を | |
第9章 サイキカル・リサーチのはじまり――テレパシーと生者の幻 | テレパシーの誕生/テレパシー仮説/スレート・ライティング/SPRと神智学協会/人間の観察力と記憶の不完全さ/完璧な疑似交霊会/ガーニーと『生者の幻』/近代化された幽霊譚/その手紙はどこにあるのか/ジェイムズとASPRの設立/そもそも幽霊の調査は可能なのか/思考伝達実験への批判/『生者の幻』に対する批判/思考伝達実験での不正発覚/科学界の承認を勝ち取るために/ヒプノティズムとテレパシー/国際生理学的心理学会議 | ||
第10章 終焉――スピリチュアリズムを死に至らしめる一撃 | 第一級ミディアムの死/セイバート委員会/スピリチュアリズムを死に至らしめる打撃/ムーヴメントの終焉/交霊会を成功させるには/ジェイムズが衝撃を受けたミディアム/パイパー夫人の初期の交霊会/パイパー夫人を調査せよ/思考伝達だけで説明できるか/意識下の記憶/霊との間接的な交信/国際実験心理学会議と幻覚統計調査/撤回された詐欺の告白 | ||
第11章 白いカラスを求めて――レオノーラ・パイパーの謎 | モーゼスの能力は本物だったか/私欲のない詐欺/リシェを確信させた物理ミディアム/パラディーノの実験/詐欺だとしても本物の能力がある?/わたし自身の白いカラスはパイパー夫人だ/最強のデバンカーの転向/それは死んだ友人の霊なのか?/生者とのテレパシーか、霊との交信か/『霊の教え』はまちがっていた?/懐疑派でも否定できない現象/新心理学 VS サイキカル・リサーチ | ||
第12章 人間の人格と肉体の死後のその存続――フレデリック・マイヤーズと非宗教化された魂 | シジウィックとマイヤーズの死/閾下自己/精神の進化/マイヤーズ問題 |