2019710 作成|20190902 更新

松永伸司『ビデオゲームの美学』

開催趣旨 読書会概要 参加申込 目次と日程 参考資料 主催
「ゲーム研究読書会」では、日本語で読める現代ゲーム研究の著作を、ゲーム開発者、研究者、プレイヤーなど、様々なバックグラウンドを持つ皆さんと読んでいます。
2017年7月に開始し、これまでに下記の本を取り上げました。
  1. [2017年07月~09月] イェスパー・ユール(2005→2016)『ハーフリアル ― 虚実のあいだのビデオゲーム』読書会
  2. [2018年01月~03月] イェスパー・ユール(2013→2015)『しかめっ面にさせるゲームは成功する──悔しさをモチベーションに変えるゲームデザイン』
  3. [2018年11月~2019年07月] 中川大地(2016)『現代ゲーム全史 ─ 文明の遊戯史観から』
 ビデオゲームだけでなく、AI研究、認知科学、計算機史・社会科学史、UXデザイン、社会実験、美学・哲学、文学理論、映画学…など、多様な関心・バックグラウンドをお持ちの方のご参加を歓迎します。読書会の参加申込み手続きについては、「参加申込」の項を御覧ください。

松永伸司(2018)『ビデオゲームの美学』読書会(2019年10月~)

松永伸司 『ビデオゲームの美学』

 2017年6月から始まったゲーム研究読書会も、第4期を迎えることができました。この読書会はゲーム開発者、エンジニア、哲学や社会学など人文学の研究者、法実務家、コンサルタント、メディア関係者といった多様なバックグラウンドを持つ参加者が積極的に意見交換をしていくのが特徴です。
前期(第三期)に扱った『現代ゲーム全史』(中川大地 著)では、ゲーム史をそれぞれの時代の文化史や科学史、技術史、社会背景などと照らし合わせながら、ゲームが文明史においてどのような意味を持っていたのかを考察していました。
 今期に取り扱うのは『ビデオゲームの美学』(松永伸司 著)です。ビデオゲームを文学や絵画、映画、彫刻、音楽と同様の芸術表現として捉え、その独自の特徴がどのようなものであるかを、理論の提示と適用を示すことで明らかにする著作です。
 構造や表現形式における言葉の用法の定義から考察するため、より精妙な議論が求められる読書会となりますが、前期までに体験してきた《本と対話しながら新たな知へとダイヴする愉しさ》を、今回も皆さんと共有できればと思います。たくさんの方の参加をお待ちしております。(高橋ミレイ)

著者自身による書籍紹介

 『ビデオゲームの美学』の大きなテーマは「他の表現媒体にはないビデオゲームならではの特徴とは何か」です。
 実質的な内容は、ユールの『ハーフリアル』の中心にある考え――ビデオゲームは「ルール=ゲームメカニクス」と「フィクション」の2つの側面からなるという考え――を引き継いだうえで、2つの側面それぞれの特徴や両者の相互関係をより細かく理論化するというものになっています。なので、第1期の読書会で取り上げられた『ハーフリアル』の続編として読める本です。
 『ビデオゲームの美学』は哲学的な関心と方法のもとで「概念」を扱う本です。つまり、わたしたちがふだんビデオゲームについて語る際に(そしておそらくはビデオゲームを作る際にも)使っている考え方を整理したり、それに代わる新しい考え方を提案したりする本です。序章で書いているように、この本の内容はビデオゲームの批評や制作の実践、あるいは実証的な研究にとってもそれなりに有益だと考えていますが、少なからず専門的な本なので、とっつきづらさはどうしてもあるかと思います。
 そういうわけで、ひとりで読むのはたいへんそうだ、読んでみたけどいまいちよくわからなかった、読んでみたけどここがおかしいと思った、この論点についてもうちょっと深堀りしたい、といった方にはぜひご参加いただいて、いろいろつっこんでいただけるとありがたいです。著者自身も、読書会を通じて、この本が実際のところどれだけ使えるのか使えないのか、どこに強みと弱みがあるのかをたしかめたいと思っています。
 この本をネタにしながら、美学やゲーム研究や他分野の研究者の方、関連分野の学生の方、ゲーム開発者の方、ゲームライターの方、ゲームプレイヤーの方、ゲームに関わる事柄についてじっくり考えたいすべての方にとって、実のある議論ができればいいなと思います。(松永伸司)

参考リンク

読書会概要

参加申込

参加資格

参加申込

目次・日程・担当

  開催日 章タイトル 頁数 担当者 トピック
第1回 2019年
10月09日(水)
序 章
第01章「ビデオゲームとは何か」
29 高橋ミレイ(編集者)  
第02章「ビデオゲームの意味作用」
第03章「芸術としてのビデオゲーム」
25 酒井泰斗(会社員)  
第2回 2019年
11月13日(水)
第04章「ビデオゲームの統語論」 27
第05章「ビデオゲームの意味論」 18
第3回 2019年
12月11日(水)
第06章「虚構世界」 34
第4回 2020年
01月08日(水)
第07章「ゲームメカニクス」1-6 37
第07章「ゲームメカニクス」7-11 26
第5回 2020年
02月05日(水)
第08章「二種類の意味論の相互作用」 36
第09章「ビデオゲームの空間」
第10章「ビデオゲームの時間」 36
第11章「プレイヤーの虚構的行為」
第6回 2020年
03月11日(水)
第12章「行為のシミュレーション」 27
終 章「そして遊びの哲学へ」
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参考資料

読書会で紹介されたり話題になったりしたリソースを記載していきます。
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プロフィール

主催者

高橋ミレイ(編集者・ライター)
CuePoint代表。モリカトロンAIラボ編集長。企業のオウンドメディアの運営やコンサルティングに携わりつつ、書籍・雑誌・Web媒体でテクノロジー、サイエンス、ゲーム、ビジネスなどの分野を執筆。好きなゲームのジャンルは推理アドベンチャーとRPG。
酒井泰斗(会社員/ルーマン・フォーラム管理人)
関心領域は道徳科学~社会科学の歴史。最近は 20世紀中葉のアメリカ社会諸科学における思考の道具の一つとしての「ゲーム」が気になっています。

アドバイザー・著者

松永伸司(現在さまよっています) [researchmap]
主に分析美学の道具立てで主にゲームを扱っています。
著書に『ビデオゲームの美学』慶應義塾大学出版会、2018年)、 訳書にイェスパー・ユール『ハーフリアル』(ニューゲームズオーダー、2016年)、 ネルソン・グッドマン『芸術の言語』(慶應義塾大学出版会、2017年)、 ミゲル・シカール『プレイ・マターズ』(フィルムアート社、2019年)など。

運営協力

中川大地(明治大学 野生の科学研究所
評論家/編集者。明治大学 野生の科学研究所研究員。ゲーム、アニメ、ドラマ等のカルチャー全般をホームに、現代思想や情報技術等を渉猟して現実と虚構を架橋する各種評論等を執筆。著書に『東京スカイツリー論』『現代ゲーム全史』。批評誌「PLANETS」副編集長。
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