20220714 作成|20220914 更新

川﨑寧生『日本の「ゲームセンター」史』

開催趣旨 読書会概要 参加申込 目次と日程 参考資料 主催
「ゲーム研究読書会」では、日本語で読める現代ゲーム研究の著作を、ゲーム開発者、研究者、プレイヤーなど、様々なバックグラウンドを持つ皆さんと読んでいます。
2017年7月に開始し、これまでに下記の本を取り上げました。
  1. [2017年07月~09月] イェスパー・ユール(2005→2016)『ハーフリアル』読書会
  2. [2018年01月~03月] イェスパー・ユール(2013→2015)『しかめっ面にさせるゲームは成功する』
  3. [2018年11月~2019年07月] 中川大地(2016)『現代ゲーム全史 ─ 文明の遊戯史観から』
  4. [2019年10月~2020年12月] 松永伸司(2018)『ビデオゲームの美学』
  5. [2021年05月~2022年07月] セリア・ホデント(2017→2019)『ゲーマーズブレイン─UXと神経科学におけるゲームデザインの原則』
 ビデオゲームだけでなく、AI研究、認知科学、計算機史・社会科学史、UXデザイン、社会実験、美学・哲学、文学理論、映画学…など、多様な関心・バックグラウンドをお持ちの方のご参加を歓迎します。読書会の参加申込み手続きについては、「参加申込」の項を御覧ください。
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川﨑寧生(2022)『日本の「ゲームセンター」史:娯楽施設としての変遷と社会的位置づけ』読書会(2022年10月~)

川﨑寧生『日本の「ゲームセンター」史』

主催者から

 私にとってアーケードゲームに関わる最初の記憶は、通っていた小学校の友人と集まる商店街の駄菓子屋に設置された『ジャンケンマン』というシンプルなメダルゲームで遊んだことでした。難易度が低く設定されていたのか、それほど苦労せずに集めたメダルは、子どもたちの間でちょっとした頼み事をする時や小物を交換する際に使う地域通貨のような役割を果たしていました。まだ平成になって間もない頃のことです。小学校高学年になると『天地を喰らう』や『ストリートファイターII』が流行してクラスでもよく話題に上るようになりました。身近に野原の多い校外に住む私たちは、教室や野外でも画面の向こうにいるキャラクターになりかわって遊んだものでした。
 私はコアなアーケードゲーマーではありません。それどころか中高生になってからは、他の趣味に関心が移ったことで10年近くビデオゲームから離れていました。しかし、中学生の時にぬいぐるみのオグリキャップが欲しくて何度も粘ったUFOキャッチャーや、卒業式の日にそれまで「不良が多いから」と学校の先生に禁止されていたゲームセンターに同級生と遊びに行ったこと、高校の帰り道に仲の良い友達と撮影したプリクラ、受験勉強の合間にクラブミュージックが好きな友人と遊んだ『beatmania』など、アーケードゲームは常に生活のどこかにあり、そばにいた誰かとの思い出を媒介する存在でした。
 第6期ゲーム研究読書会で扱う『日本の「ゲームセンター史」娯楽施設としての変遷と社会的位置づけ』では、1930年のゲームセンター黎明期から現代までのアーケードゲームの歴史を辿りながら、産業形態や訴求対象の変遷や、時代ごとの法制度や税制の変化とどのように関わり合ってきたのかを読み解いていきます。アーケードゲームに関心がある方も、そうでない方もぜひご参加いただければと思います。なぜなら冒頭に私が述べたように、どの年代のどの立場の方にとっても、きっと何かしらの形でアーケードゲームとの関わりや思い出があるはずですから。(高橋ミレイ)

著者から

 本書は日本の「ゲームセンター」が社会に根付いた過程と要因について調査分析を行った博士研究をブラッシュアップした書籍です。主に前半で「他国と異なり日本のゲームセンターが一時的にも断絶することなく社会に根付いた要因」を、後半で「社会に根付く過程において多様に広がったゲームセンターの諸文化」を調査分析することで、ゲームセンターの歴史的・社会的位置づけに新たな知見を提示することを目的としています。
 日本のゲームセンターは、産業として独立した店舗(独立店舗)の栄枯盛衰と、その中で生まれた独自の文化が主に研究されていました。そのため、駄菓子屋や喫茶店など、様々な場所に展開されたゲームセンターという場所の全体的なあり方は取りこぼされていました。本研究ではそれら多様な店舗形態がゲームセンターに及ぼした影響や、結果的に起きた他国との差異について、戦後日本の社会状況を踏まえながら分析しております。博士研究としてまとまりを持たせるために対象をある程度絞ったため、どうしても語り切れない部分や課題は残りましたが、それでも日本のゲームセンターを研究する基礎的な土台の一つを作り上げることが出来たとは思っています。
 まずはゲームセンターという戦後日本を代表する娯楽施設について、本書が理解のための一助となれば幸いです。その上で、皆さんの専門分野や多様な関心、経験から見られる洞察や読み、意見と出会えることを楽しみにしております。(川﨑寧生)

読書会概要

参加申込

参加資格

参加申込

目次・日程・担当

  開催日 章タイトル 頁数 担当者 トピック
第01回 2022.10.12 序章   高橋ミレイ(CuePoint/編集者)  
第02回 2022.11.09 第1章 ゲームセンターに関する先行研究、および現在までに整理された日本ゲームセンター史の概観   酒井泰斗(会社員/行動科学史)  
第03回 2022.12.14 第2章 日米ゲームセンター史の比較分析──場所・空間の定着過程に着目して    
第04回 2023.01.11 第3章 日本のゲームセンター史が持つ特殊性の分析──社会統制史の観点を中心に    
第05回 2023.02.08 第4章 ゲームセンターにおける店舗形態の特徴──先行研究における議論の整理を中心に    
第06回 2023.03.08 第5章 ゲームセンターが社会に根付く過程のケーススタディ1 大人向けゲームコーナー
    ──都市型娯楽の新しい形としての「ゲーム機が導入された喫茶店」
   
第07回 2023.04.12 第6章 ゲームセンターが社会に根付く過程のケーススタディ2 子供向けゲームコーナー
    ──駄菓子屋や玩具屋に広がったゲームプレイの形
   
第08回 2023.05.10 第7章 娯楽施設としてのゲームセンターの変遷──店舗形態に影響を与えた要素を中心に    
第09回 2023.06.14 終 章    
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参考資料

読書会で紹介されたり話題になったりしたリソースを記載していきます。
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プロフィール

主催者

高橋ミレイ(編集者・ライター)
CuePoint代表。モリカトロンAIラボ編集長。企業のオウンドメディアの運営やコンサルティングに携わりつつ、書籍・雑誌・Web媒体でテクノロジー、サイエンス、ゲーム、ビジネスなどの分野を執筆。好きなゲームのジャンルは推理アドベンチャーとRPG。
酒井泰斗(会社員/ルーマン・フォーラム管理人)
関心領域は道徳科学~社会科学の歴史。最近は 20世紀中葉のアメリカ社会諸科学における思考の道具の一つとしての「ゲーム」が気になっています。

アドバイザー

松永伸司(京都大学文学部メディア文化学専修准教授) [researchmap]
主に分析美学の道具立てで主にゲームを扱っています。
著書に『ビデオゲームの美学』慶應義塾大学出版会、2018年)、 訳書にイェスパー・ユール『ハーフリアル』(ニューゲームズオーダー、2016年)、 ネルソン・グッドマン『芸術の言語』(慶應義塾大学出版会、2017年)、 ミゲル・シカール『プレイ・マターズ』(フィルムアート社、2019年)など。
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