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開催趣旨 | 読書会概要 | 参加申込 | 目次と日程 | 参考文献 |
ドナルド・A・ショーンは『省察的実践とは何か』(1983)において、既存の科学的知識・技術を実践に適用する「技術的合理性」モデルにもとづく従来の専門職像に対し、自身の行為を省察し実践を通して知識を生成する「省察的実践者」という新しい専門職像を提示しました。特に第2部では、建築家、精神分析家、都市プランナーといった専門職者の実践の事例研究を通して、専門職者たちによる「行為の中の省察」について考察しています。
日本では佐藤学・秋田喜代美訳(『専門家の知恵─反省的実践家は行為しながら考える』、2001)の出版もあり、この「省察的実践者」の概念が主に授業場面における教師の技術に関する研究や教師教育の分野で援用されてきました。しかしそこでは、「技術的熟達者」から「省察的実践者」への教職専門性の転換という単純な図式だけが一人歩きし、この図式を授業実践の改革に適用するという論調が目立つことはあっても、ショーンが目指したはずの具体的な実践に学ぶというアプローチや、そのようなアプローチによって示された多様で具体的な実践の分析内容に注目が集まることはなかったように見えます。
そこでこの読書会では、広く「社会的行為の記述・分析」に関心をお持ちの皆さんにお集まりいただき、を目的にしたいと思います。
- 佐藤・秋田訳では訳出されていなかった第2部の事例研究を中心に ショーンの議論を(再)検討し
- (教育だけでなく)様々な実践を対象とする研究への応用可能性について議論すること
読書会の主催者は教育関連分野の研究者ではありますが、教育だけでなく、様々なバックグラウンドをお持ちの方にご参加いただけることを期待しています。(布川・澤田)
2015.8.4 参加者募集を締めきりました。
章タイトル | トピック | 開催日 | 頁数 | |||
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第1部 専門的知識と行為の中の省察 | 01章 | 専門的知識に対する信頼の危機 | 1950-80年代におけるアメリカ社会の専門職の役割の変遷 | 第1回 | 7月22日 | 78 |
02章 | 技術的合理性から行為の中の省察へ | 専門職教育の歴史的前提 | ||||
第2部 プロフェッショナルによる 行為の中の省察 ―いくつかの文脈 |
03章 | 状況との省察的な対話としての建築デザイン | 建築専門職教育における教師 - 学生 | 第2回 | 8月05日 | 65 |
04章 | 精神療法―固有の宇宙をもつ患者 | 精神医学における専門職教育 | ||||
05章 | 行為の中の省察の構造 | ★中間考察 | 第3回 | 8月26日 | 69 | |
06章 | 科学に基礎を置く専門的職業の省察的実践 | 工学:学生の協働プロジェクト、 トランジスタ開発、 エンジニアのライフヒストリー | ||||
07章 | 都市計画―行為の中の省察を制約するもの | 建築計画をめぐる 都市計画専門家 - 開発業者 | 第4回 | 9月16日 | 85 | |
08章 | マネジメントの〈わざ〉 ―組織学習システム内のでの行為の中の省察 |
ビジネス・スクールのカリキュラム スリーエム社の商品開発、工場、製品開発 |
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09章 | 行為の中の省察の類型と制約 ―職権を超えて共通するものに注目して |
★中間考察 | ||||
第3部 結論 | 10章 | 専門的職業の意味と社会における位置づけ | ★まとめ | 第5回 | 9月30日 | 67 |