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作成 201600808|更新 20161122

学習理論古典読書会

読書会概要 対象文献 参加資格 参加申込
ダンジガー『心を名づけること(上)』

この読書会では、「学習」をテーマとする現代の古典を、様々なバックグラウンドを持つ皆さんと読んでいます。2015年7月に開始し、現在までに二冊の本を取り上げました。

  1. [2015年07月~09月] ドナルド・A・ショーン(1983)『省察的実践とは何か──プロフェッショナルの行為と思考』
  2. [2016年06月~08月] レイヴ&ウェンガー(1993)『状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加』

次は、カート・ダンジガーによる20世紀アメリカの心理学史『心を名づけること─心理学の社会的構成』を取り上げ、2016年9月末から7回をかけて読む予定です。ただいま新規参加者を若干名募集しています。

ダンジガー『心を名づけること』について

 本書の目的は、心理学的カテゴリーの歴史性を記述することにあります。(詳細目次
 著者のK. ダンジガーは、心理学の研究対象が自然科学の方法によって観察可能な自然の事物(「自然種」)であるとする見方を否定し、それらが歴史性をもった「人工種」であるとの見方に立ち、心理学的カテゴリーが歴史を通して社会的に構成され使用される歴史を明らかにしています。
 本書の主な関心は、「行動的(behavioural)」な言説が支配的であった、1920~40年代のアメリカ心理学において生み出されたカテゴリーにあります。 「行動」と「学習」、「動機づけ」、「パーソナリティ」、「態度」といったそれらのカテゴリーは、心理学においてだけでなく、当時のアメリカの社会科学諸分野にとっても影響力を持ちました。
 この読書会では、心理学に限らず、広く社会科学一般の歴史に関心のある方の参加をお待ちしています。(布川)

読書会の概要

スケジュール

第一回 2016年09月26日 第一章 心を名づけること、第二章 古代の哲学者たち
第二回 2016年10月17日 第三章 大転換、第四章 生理学的背景
第三回 2016年10月31日 第五章 知能を地図に載せる
第四回 2016年11月0711 第六章 行動と学習
第五回 2016年11月21日 第七章 動機づけとパーソナリティ
第六回 2016年12月05日 第八章 態度
第七回 2016年12月19日 第九章 メタ言語、第十章 「心理学的種」の本質
詳細目次

参加資格

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参加申込・連絡先

※参加者募集は終了しました。

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ダンジガー『心を名づけること』目次

第一章 心を名づけること
1 もうひとつの心理学
2 心理学のカテゴリー
3 歴史記述
4 本書の概観
第二章 古代の哲学者たち
1 自己自身にとっての対象としての人格
2 理性
3 アリストテレスにおける感情
4 アリストテレス以降のいくつかのテーマ
第三章 大転換
1 十八世紀の新趣向
2 情念から情動へ
3 道具的理性
4 動機そして行為の偶発性
5 新たな自己の意味
第四章 生理学的背景
1 心理学と生理学
2 「刺激作用」の生気論的ルーツ
3 反射概念の分岐
4 心的エネルギーというメタファー
第五章 知能を地図に載せる
1 生物学的ルーツ
2 現代の知能とは何でないか
3 普遍的教室
4 心理計測的知能
第六章 行動と学習
1 「行動」の五層
2 推測された心
3 自然主義的な社会科学
4 さまざまな主義と恣意性
5 実践的範例
6 行動と制御
7 「学習」の抽象化
第七章 動機づけとパーソナリティ
1 動機づけへの関心
2 動因という概念の登場
3 規範としての動機づけ心理学
4 パーソナリティのカテゴリー──その歴史
5 パーソナリティの心理学と文化的保守主義
第八章 態度
1 幸先のよくない始まり
2 態度はいかにして「社会的」になったか
3 成功の香り──態度は測定される
4 態度の多様性 VS. イデオロギー?
第九章 メタ言語──技術的枠組み
1 刺激―反応心理学の重要性
2 心理学者と「変数」との出会い
3 理論的言説への変数の導入
4 研究実践における変数
5 共通語としての変数
6 理論的考察
第十章 "心理学的種"の本質
1 心理学的カテゴリーの歴史的起源
2 心理学的言語の政治学
3 心理学的カテゴリーの指示対象
4 自然種か、人工種か
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