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20150531 作成|20150706 更新

レイヴ&ウェンガー『状況に埋め込まれた学習』読書会
Jean Lave and Etienne Wenger, Situated Learning: Legitimate Peripheral Participation

開催趣旨 読書会概要 参加申込 目次と日程 参考文献
ジーン・レイヴ&エティエンヌ ウェンガー『状況に埋め込まれた学習―正統的周辺参加』

開催趣旨

 この本のテーマである「正統的周辺参加(LPP:Legitimate Peripheral Participation)」は、心理学をはじめとする認知科学において主要なテーマの一つとされてきた「学習」概念について、徒弟制の学習過程の文化人類学的なエスノグラフィーに基づいて再構成を図ったアプローチとして広く知られています。一般的に LPP は「状況論的アプローチ」の一つとされ、そこでは「学習」を、教える者―教えられる者の二者関係における知識・スキルの獲得としてではなく、様々な社会的状況への参加形態の変化として捉える見方が提示されています。たとえば本書で取り上げられている徒弟制に基づく労働作業の場合、そこで生じる学習過程は、徒弟が周辺的・部分的な作業への参加(正統的周辺参加)から、全般的なあらゆる作業への参加(完全な参加)に移行する過程として捉えられます。学習者の内的な認知過程に着目するそれまでのアプローチと異なり、学習者の置かれた社会的状況や他の参加者との関係性への着目を促す LPP のアプローチは、心理学・認知科学以外の分野でも広く取り入れられ、解説も多くなされています(高木 1992、紅林 1997など)

 この読書会では、本書で展開される LPP の議論についての理解を深めることを第一の目的とし、他方で LPP のアプローチが教育・労働といった場面における様々な「学習」実践の研究でどのように利用できるかについて議論を進めます。

 具体的には、
  1. 「学習」や「状況」「参加」といった(それ自体は一般的にも使用されている)諸概念が本書ではどのように用いられているかを出来るだけ正確に理解すること
  2. 他の「学習」にかかわる研究群における LPP の位置づけを確認すること
  3. 「学習」実践の研究において LPP を使用する際の利点あるいは問題点を議論すること
以上3点を軸に読書会を進めます。

 この読書会は、「ドナルド・ショーン『省察的実践とは何か』読書会」の続編として開催されます。参加者は教育学や社会学、組織学習を専門とする研究者・実践現場従事者などを中心としていますが、専門分野問わず広く本書に関心のある方を参加者として想定しています。

文献
  • 高木光太郎, 1992, 「『状況論的アプローチ』における学習概念の検討――正統的周辺参加 (Legitimate Peripheral Participation) 概念を中心として」『東京大学教育学部紀要』32: 265-273.
  • 紅林伸幸, 1997, 「正統的周辺参加理論の教育社会学的一展開――学校化への視覚:メタファーとしての《徒弟制》」『滋賀大学教育学部紀要:教育科学Ⅰ』47: 37-52. [CiNii]

概要

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参加申込

目次と日程

※対象書籍は各自持参をお願いします。
  開催日 章タイトル トピック 頁数
第1回 6/22 第1章「正統的周辺参加」
第2章「実践、人、社会的世界」
  20
16
第2回 7/06 第3章「産婆、仕立屋、操舵手、肉屋、断酒中のアルコール依存症者」
  34
第3回 7/13 第4章「実践共同体における正統的周辺参加」   36
第4回 8/03 結論
解説「認知という実践」
  16
60
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参考文献