マシュー・スチュワート著・稲岡大志訳『マネジメント神話――現代ビジネス哲学の真実に迫る』の合評会を開催いたします。
本著は奇妙な本です。哲学科の博士課程からコンサルタントに転身したマシュー・スチュワート自身の、幾分ふてくされた/一方でどこか誇らしげに綴られる戦略コンサルタント会社のオートエスノグラフィー。
テーラー、メイヨー、アンゾフ、ピーターズといった、アメリカ経営学のグルが辿った遍歴を通じ、その議論の根幹をえぐり出す、批判的学史研究。
この、一見相容れないように見える2つの研究を通じ、著者は以下のように宣言します。「マネジメントの研究は、仮にどこかに属するならば、哲学の歴史に属する」と。この言明を私たちはいかに理解すればよいでしょうか。
本合評会では、訳者の稲岡大志氏をお招きし、本書の内容概説、その魅力と訳出の経緯をお話しいただきます。
その後、評者と司会により、この魅力あふれながらも謎めいた本を読み解くことを試みます。
評者は、『デスマーチはなぜなくならないのか』の著者であり、ITエンジニアのエスノグラフィー的研究を専門とされている宮地弘子氏と、日米経営茶話会の発起人であり、日本における経営学・商業学の受容過程も研究してきた、林凌が務めます。
抱腹絶倒な読み物である本書の魅力を、参加者の皆様にもぜひとも共有できればと考えております。お気軽にご参加ください。(林 凌)