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ところで、はじめてルーマンに触れるという方はこれまで書いたことは差し当たり忘れてもらって結構です。書いている私自身本当にどこまで理解しているか全く確証がないので、今後の個別的な議論のなかで度々持ち出して考えてみたいと思います。今回のとりあえずの目的は「システム」という言葉を用いずにルーマンの問題設定を述べるということを自らに課してみたのですが、いかがでしたでしょうか。
次回からもう少しテクストに沿ったかたちで議論を進めたいと思います。
『自己言及性について』をメインテクストに選びましたが、(どのルーマンの書物にもいえることですが)書かれた文章をそのまままとめるだけでは、何が言われているか殆ど分かりません。しかもこの訳本は(これもどのルーマンの訳本にも言えるように)訳者が内容を理解していないがために訳が分かりにくい。もっとも原文を読めば分かることですが、半分はルーマンの文体の責任です。そこで
『自己言及(性)について』第1章:社会システムのオートポイエーシス
から始めますが、冒頭で展開されている「オートポイエーシス」についての議論を理解するためには、予めナセヒ+クニール、『ルーマン、社会システム理論』(新泉社)\2570
の第?章、「社会システムの理論」、とくに、2:システム理論の新たな発展(マトゥラーナのオートポイエーシス論)
3:心的システムのオートポイエーシス(意識のオートポイエーシス)
4:創発的レヴェルとしての社会システム(コミュニケイションのオートポイエーシス)
まとまりの欠いた初回でしたが、今後もよろしくおつきあい願います。(→つづき)