酒井泰斗プロデュース「いまこそ事象そのものへ!──現象学からはじめる書棚散策」紀伊國屋書店新宿本店ブックフェア(2017年8月)

 このページは、現象学の新しい教科書『ワードマップ 現代現象学』の刊行を記念して開催するブックフェア いまこそ事象そのものへ! をご紹介するために、WEBサイト socio-logic.jp の中に開設するものです。

 本ブックフェアは、2017年8月、新曜社の協力を得て、紀伊國屋書店新宿本店3階にて開催します。フェア開催中、店舗では 選書者たちによる解説を掲載した36頁のパンフレットを配布しますが、このWEBページでも その内容の一部を公開していきます。

 なお、2014~2016年にも、本フェアと同様の趣旨のブックフェアを開催しました。そちらの紹介ページもご覧いただければ幸いです:

更新情報
2017.08.21
品切れとなっていた下記二冊が本日さきほど再入荷したとのことです。
2017.08.21
驚きのランクインです。
2017.08.20
田中彰吾さんのブログ(2017.8.18)でブックフェアをご紹介いただきました。ありがとうございます。 フェアのラインナップについて
現象学の初心者がすいすい読めてわかった気になるようなヤワな本はまったく選ばれていないように見受けられます。が、読むことを通じて現象学の深みに入っていけるような本が多い印象なのです。
と評していただきましたが、〈現象学への入門〉を趣旨としていない本フェアの特徴を綺麗に指摘していただいたと思います。
2017.08.18
フェアがスタートして初めての週末がやってきます。フェア棚にPOPも揃ったようです。まだいらしていない方も週末はぜひフェア会場をご訪問ください。本日は、八重樫 徹さん執筆の「3-6 人生」の解説文を掲載しました。
2017.08.18
スタッフの予想を遥かに超える勢いで、ほんとうに沢山のかたにブックフェアにご訪問いただいております。昨晩『ワードマップ 現代現象学』が二度目の品切れとなってしまいました。本日18日中には更に上方修正した冊数を再入荷していただける予定になっています。紀伊國屋書店さんからのアナウンスを お待ち下さい。
※追記:14:38 入荷のアナウンスがありました。
2017.08.16
予想外に多くの方にブックフェアに ご来場いただき、昨日18時時点でブックレットが店頭からなくなってしまいました。せっかくご来場いただいたのにブックレットを入手できなかった方には申し訳ありませんでした。 ブックレットは本日開店時(10時)には補充済みとのことですので、恐縮ですが再度ご来訪いただければと思います。
また『ワードマップ 現代現象学』も昨晩で品切れとなっていましたが、こちらも本日午後には入荷するとのことです。
2017.08.15
メルロ=ポンティ・サークルのWEBサイトに告知を掲載していただきました。どうもありがとうございます。
「誤植修正」欄を設けました。ブックレットについてお気づきの点あれば までお知らせください。
2017.08.14
ブックフェア、無事スタートすることができました。関係各位にあらためて感謝するとともに、皆さんのご来場をお待ちしております。数冊だけ入荷した絶版書、ドレイファス『世界内存在』【109】は 初日にあっさりと全て売れてしまったようです。
さっそく会場を訪れていただいた皆さんの写真幾つか──吉良さんの顔、吉川さんの手など──を「会場写真」欄に掲載しました。
2017.08.13
ブックフェア、いよいよ明日から開催です。どうぞよろしくお願いします。
本日は、吉川 孝さん執筆の 解説文を掲載しました。
2017.08.11
高知の学生さんにブックフェアのポスターを作製していただきました。印刷して自由にお使いください。
2017.08.09
選書者による推薦文(POP)をすべて掲載しました。今回のフェアでは、ほかに下記の方に推薦文を書いていただいています。誰がどんな本を選んだのか、会場で確認してみてください(推薦文一覧)。
  • 飯田 隆さん(哲学)
  • 糸谷哲郎さん(日本将棋連盟棋士八段)
  • 加藤秀一さん(社会学)
  • 吉良貴之さん(法哲学)
  • 戸田山和久さん(哲学)
  • 中山洋子さん(看護学)
  • 納富信留さん(哲学)
2017.08.08
ブックフェア紹介ページを公開しました。
日本現象学会WEBサイトに告知を掲載していただきました。どうもありがとうございます。
2017.08.04
『ワードマップ 現代現象学』、書店によっては並び始めたようです。各種オンライン書店にも入荷されました。
ところで、『現代現象学』の編者のひとりである植村玄輝さんが、『ワードマップ 現代形而上学』刊行時(2014年)に書いたblog記事は、『現代現象学』企画の一つの背景的前提になっています。『現代現象学』を読み終わった方は、併せてこちらの記事も読んでみてください。
2017.08.02
ブックフェア開催日が2017年8月14日(月)に確定しました。
2017.07.18
「1-2  現代現象学──経験の哲学」(植村玄輝・八重樫 徹・吉川 孝)の解説文を掲載しました。
2017.07.18
ページ制作を開始しました。
いまこそ事象そのものへ!──現象学からはじめる書棚散策 - はてなブックマーク数

趣旨:はじめに

 このブックフェアは、新しい現象学的哲学の教科書『ワードマップ 現代現象学』の刊行にちなんで開催するものです。
 本書『ワードマップ』では、現象学が「経験の探究」として提示されていますが、ここでいう経験は、私たちが世界の中で様々な対象に出会い・様々なやり方で関わることを指しています。つまり、物事を経験の相において、経験される事柄 と 経験する者 を切り離さずに捉えることをとおして 哲学的課題に取り組む探究のプログラムとして、現象学が特徴づけられているわけです。このような方針のもとで本書は、現象学が、古典的・現代的な様々な哲学的問題に対して どのようにアプローチできるかを示すことによって、現象学入門と哲学入門の双方となることを目指しています。
 このブックフェアは、本書のこうした方針を借りて、現象学を介して哲学を中心とする諸分野の良書を読書人に紹介することを趣旨として企画したものです。この趣旨に沿って、『ワードマップ』執筆者を中心とする若手の現象学者の皆さんに、

などを紹介していただきました。
 フェアタイトルの「いまこそ」には、意識経験の解明という課題が いわゆる分析哲学でも共有されてきた今こそ、現象学の方針に則りつつも現象学の枠を超えて哲学の議論を始めよう という本書執筆者たちの基本姿勢を示す意味を込めたつもりです。
 このブックレットを片手に、いつも立ち寄る書棚を違った眼で眺めたり、いつもは立ち寄らない棚に寄り道してみたりするために、このブックリストを利用していただけたら幸いです。(酒井泰斗)

ワードマップ 現代形而上学
ワードマップ 現代現象学
経験からはじめる哲学入門

植村玄輝・八重樫 徹・吉川 孝 編著
富山 豊・森 功次 著
新曜社 2017年
  • まえがき
  • 第1部 基本編
    • 第1章 現代現象学とは何か
      • 1-1 現象学の特徴
      • 1-2 出発点としての経験
      • 1-3 動物実験と現象学の意義
      • 1-4 現代現象学のもくろみ
    • 第2章 経験の分類
      • 2-1 経験の現象学的な分類とは何か
      • 2-2 知覚からはじめる経験の分類
    • 第3章 経験の志向性と一人称性
      • 3-1 経験の基本的特徴を問うことはどういうことか
      • 3-2 経験の志向性
      • 3-3 経験の一人称性
  • 第2部 応用編
    • 第4章 「志向性」
      • 4-1 思考と真理
      • 4-2 意味と経験
      • コラム フッサールのノエマ概念
    • 第5章 「存在」
      • 5-1 実在論と観念論
      • 5-2 心身問題
    • 第6章 「価値」
      • 6-1 価値と価値判断
      • 6-2 道徳
      • コラム 現象学とケア
    • 第7章 「芸術」
      • 7-1 音楽作品の存在論
      • 7-2 美的経験、美的判断
      • コラム 現象学者たちの芸術論
    • 第8章 「社会」
      • 8-1 他人の心
      • 8-2 約束
      • コラム 社会の現象学
    • 第9章 「人生」
      • 9-1 人生の意味
      • 9-2 哲学者の生
  • あとがき
  • 現代現象学をさらに学ぶための文献案内
  • 索引

現象学を近づきにくいものとしてきた術語をいっさい使わず、経験の具体相から出発する、まったく新しい種類の入門書。
心身問題から音楽作品の存在論、さらには人生の意味まで。 飯田 隆(哲学、日本大学文理学部教員)

書籍リストの構成と担当者

第一部 現象学:源流から現代へ
  1. 1-1a 現代現象学の源流1 (村田憲郎)
  2. 1-1b 現代現象学の源流2 (小手川正二郎)
  3. 1-2  現代現象学──経験の哲学
    (植村玄輝・八重樫 徹・吉川 孝)
第二部 哲学の古典的主題
  1. 2-1 (富山 豊)
  2. 2-2 (吉川 孝)
  3. 2-3 (森 功次)
  4. 2-4 世界 (佐藤 駿)
  5. 2-5 (植村玄輝)
  6. 2-6 (武内 大・吉川 孝)
第三部 現代の哲学・諸学との接点
  1. 3-1 認知 (宮原克典・新川拓哉)
  2. 3-2 政治と身体 (池田 喬)
  3. 3-3 他人の心 (八重樫 徹)
  4. 3-4 法と社会 (植村玄輝)
  5. 3-5a ケアと看護1 (吉川 孝)
  6. 3-5b ケアと看護2 (前田泰樹)
  7. 3-6 人生 (八重樫 徹)
  8. 3-7 現代現象学のライバル (葛谷 潤)

※ リスト中、数字に「*」を付した書籍はコメント中には触れられていないものの選者がテーマに関連する書籍として選書したものです。

推薦文(POP)一覧
  • はじめに
    • 植村・八重樫・吉川編『ワードマップ 現代現象学』(飯田 隆(哲学))
  • 1-1a 現代現象学の源流1
    • 細川亮一『ハイデガー哲学の射程』(酒井泰斗(会社員))
    • D・ザハヴィ『フッサールの現象学』(酒井泰斗(会社員))
    • ベルネ他『フッサールの思想』(植村玄輝(哲学))
  • 1-2  現代現象学──経験の哲学
    • (糸谷哲郎(日本将棋連盟棋士八段))
    • J. Smith, Experiencing Phenomenology(八重樫 徹(哲学))
  • 2-2 善
    • 古田徹也『それは私がしたことなのか 行為の哲学入門』(吉川孝(倫理学))
  • 2-3 美
    • (岡本源太(美学))
    • (岡本源太(美学))
    • R・ステッカー『分析美学入門』(森 功次(美学))
  • 2-4 世界
    • 門脇俊介『理由の空間の現象学』(植村玄輝(哲学))
  • 2-5 魂
    • (岡本源太(美学))
    • T・クレイン『心の哲学』(植村玄輝(哲学))
    • サルトル『自我の超越』(森 功次(美学))
  • 3-1 認知
    • (加藤秀一(社会学))
  • 3-3 他人の心
    • 小手川正二郎『甦るレヴィナス』(八重樫 徹(哲学))
  • 3-4 法と社会
    • (吉良貴之(法哲学、宇都宮共和大学教員))
    • 前田泰樹ほか編『ワードマップ エスノメソドロジー』(戸田山和久(哲学))
  • 3-5a ケアと看護1
    • (中山洋子(看護学))
  • 3-6 人生
    • (納富信留(哲学))
    • H・アレント『ラーエル・ファルンファーゲン』(吉川孝(倫理学))
  • 3-7 現代現象学のライバル
    • (戸田山和久(哲学))
    • (戸田山和久(哲学))

書籍リスト

第一部 現象学:源流から現代へ

1-1a 現代現象学の源流1(村田憲郎)

005
H・スピーゲルバーグ 2000
世界書院
001 新田義弘・小川侃編、
L・ラントグレーベほか
現象学の根本問題 1978 晃洋書房
002 細川亮一 ハイデガー哲学の射程 2000 創文社
003 R・ベルネほか(千田義光ほか) フッサールの思想 1994 晢書房
004 D・ザハヴィ
(工藤和男・中村拓也)
フッサールの現象学 2017 晃洋書房
005 H・スピーゲルバーグ
(立松弘孝監訳)
現象学運動 2000 世界書院
006 D. Jaquette (ed.) The Cambridge Companion to Brentano 2004 Cambridge U. P.
007 U. Kriegel (ed.) The Routledge Handbook of Franz Brentano and the Brentano School 2017 Routledge
008* L・ラントグレーベ
(山崎庸佑ほか)
現象学の道 1980 木鐸社
009* 新田義弘 現象学とは何か:フッサールの後期思想を中心として 1992 講談社学術文庫
010* D. Zahavi (ed.) The Oxford Handbook of the History of Phenomenology 未刊 Oxford U. P.
011* B. Smith Austrian Philosophy: The Legacy of Franz Brentano 1994 Open Court
012* W・H・ジョンストン
(井上修一ほか)
ウィーン精神:ハープスブルク帝国の思想と社会 1848‐1938〈2〉 1986 みすず書房
013* R. Rollinger Husserl's Position in the School of Brentano 1999 Springer

ハイデガー読んでみた。
さっぱりわからなかった。
でももうちょっと付き合ってみようかな。
──そんな方に長年お勧めしてきた定番書です。 酒井泰斗(会社員、ルーマン・フォーラム管理人)

フッサール読んでみた。
さっぱりわからなかった。
でももうちょっと付き合ってみようかな。
──そんな方に長年お勧めしてきた定番書です。 酒井泰斗(会社員、ルーマン・フォーラム管理人)

ザハヴィ『フッサールの現象学』が現在最良の入門書なら、本書はさしずめ修了認定試験の参考書的存在。これが読みこなせれば「フッサールについて一通りのことはわかっている」と言っていいと思います。第1章から通読しようとするとかなりの高確率で挫折するので、まずは気になった箇所から始めるのがおすすめ。 植村玄輝(哲学、岡山大学教員)

1-1b 現代現象学の源流2(小手川正二郎)

014
B・ヴァルデンフェルス 2009
法政大学出版局
014 B・ヴァルデンフェルス (佐藤真理人) フランスの現象学 2009 法政大学出版局
015 D・フランク(本郷 均ほか) 現象学を超えて 2003 萌書房
016 金森 修編 エピステモロジー 2013 慶應義塾大学出版会
017 澤田 直編 サルトル読本 2015 法政大学出版局
018 F=D・セバー(合田正人) 限界の試練:デリダ、アンリ、レヴィナスと現象学 2013 法政大学出版局
019 R. Moati Levinas and the Night of Being: A Guide to Totality and Infinity 2016 Fordham U. P.
020* M・メルロ=ポンティ (加賀野井秀一ほか) フッサール『幾何学の起源』講義 2005 法政大学出版局
021* H.-D. Gondek & L. Tengelyi Neue Phänomenologie in Frankreich 2011 Suhrkamp
022* 米虫正巳編 フランス現象学の現在 2016 法政大学出版局
023* 小林 徹 経験と出来事:メルロ=ポンティとドゥルーズにおける身体の哲学 2014 水声社

1-2  現代現象学──経験の哲学(植村玄輝・八重樫 徹・吉川 孝)

024
ギャラガー&ザハヴィ『現象学的な心』
S・ギャラガー、
D・ザハヴィ (石原孝二監訳) 2011
勁草書房
024 S・ギャラガー、D・ザハヴィ (石原孝二監訳) 現象学的な心 2011 勁草書房
025 D・ザハヴィ(中村拓也) 自己意識と他性 2017 法政大学出版局
026 R・M・チザム (中才敏郎ほか) 知覚 1994 勁草書房
027 A・ノエ (門脇俊介、石原孝二監訳) 知覚のなかの行為 2010 春秋社
028 C・マッギン (五十嵐靖博、荒川直哉) マインドサイト 2006 青土社
029 門脇俊介 破壊と構築 2010 東京大学出版会
030 村田純一 色彩の哲学 2002 岩波書店
031 野家啓一 無根拠からの出発 1993 勁草書房
032 D. Zahavi The Oxford Handbook of Contemporary Phenomenology 2015 Oxford U. P.
033 B. Dainton Stream of Consciousness 2005 Routledge
034 J. Smith Experiencing Phenomenology 2016 Routledge
035 U. Kriegel Varieties of Consciousness 2015 Oxford U. P.
036 A. D. Smith The Problem of Perception 2002 Harvard U. P.
037 A. L. Thomasson Fiction and Metaphysics 1999/2008 Cambridge U. P.
038 H. B. Schmid Plural Action: Essays in Philosophy and Social Science 2010 Springer
039 Ch・テイラー(下川 潔ほか) 自我の源泉 2010 名古屋大学出版会
040* 長滝祥司 現象学と二十一世紀の知 2004 ナカニシヤ書店
041* 鈴木生郎ほか ワードマップ現代形而上学 2014 新曜社
042* 門脇俊介 現代哲学の戦略:反自然主義のもう一つの別の可能性 2007 岩波書店
043* B. Smith & D. W. Smith (eds.) The Cambridge Companion to Husserl 1995 Cambridge U. P.
044* H. L. Dreyfus (ed.) Husserl, Intentionality, and Cognitive Science 1986 The MIT Press

『ワードマップ 現代現象学』【000】は、現象学を通じての哲学入門を意図したものである。「現代現象学」というひょっとしたら耳慣れない言葉は、D・ザハヴィの編著『現代現象学ハンドブック』【032】によって、一応の市民権を得たといっていい『ワードマップ 現代現象学』のタイトルだけでなく構想も、この編著がなければ生まれていなかったかもしれない)。だが、このハンドブックで「現代現象学」と呼ばれるジャンルは、よくもわるくも雑多である。同書の寄稿者には、(1)ふつうフッサールにはじまるとされる現象学の伝統——現代現象学と対比的に「古典的現象学」と呼ばれる——から着想を得つつ、(2)同時代の哲学的な問題——そこには古くからの哲学的問題も含まれうる——に取り組むという姿勢が共有されているに過ぎない。そのため、現代現象学という確固たるひとつの分野があるとは考えない方がいいだろう。『ワードマップ 現代現象学』にかぎって言えば、現代現象学は、経験という観点に立脚した思考を展開して、分析哲学を中心とする現代哲学の諸問題をめぐる議論に取り組むことを特徴としている。いずれにしても、(20世紀から21世紀への!)世紀転換期ごろからふたたび勢いを取り戻した現象学のさまざまな動向が、「現代現象学」というラベルによっていわば可視化されたことは確かである。こうしたアウトリーチ的な側面も含め、ザハヴィをこの多様な動向を代表する哲学者の一人とみなすことにおそらく異論はないはずだ。>>解説文を開く/閉じる

  さて、フッサール研究からキャリアを開始したザハヴィは、『自己意識と他性』【025】(原著1999年刊)において、反省に先立つ自己意識に関する古典的現象学の取り組みを包括的に論じた。その後のザハヴィは、現象学は分析哲学などの他の哲学的伝統とより積極的に対話すべきだという同書の提案を、コペンハーゲン大学主観性研究センターの設立(2002年)によって自ら実践することになる。S・ギャラガーとの共著『現象学的な心』【024】(原著[第1版]は2008年刊)は、狭い意味での哲学だけでなく、心理学・認知科学・精神医学・社会学とも連携しながら進められた主観性研究センターでの研究のひとまずの集大成といえる。
 もちろんザハヴィやその周辺だけが現代現象学だというわけではない。ここでは、ザハヴィの立場を相対化するものとして、 【032】にも寄稿した)H・B・シュミットの『複数的行為』【038】を挙げておこう。究極的にはフッサールの(忠実な)徒であるザハヴィとは対照的に、シュミットはハイデガー的な立場にも根ざして行為や社会について論じ、現代哲学における「共同行為論」を牽引する論者の一人になっている。
 ザハヴィやシュミットがそれぞれキャリアを積み上げるのとほぼ同時期に、いわゆる分析哲学においても、古典的現象学の成果を取り込む著作が目につくようになった。 (原著の)出版年順に紹介していこう。存在論における経験の志向性に関する考察の重要性を説き、虚構のキャラクターのような心に依存した存在者をも包摂する形而上学の構想を描いたA・L・トマソン『虚構と形而上学』【037】は、純粋志向的対象に関するインガルデンの理論に大きく依拠している(トマソンの立場の明快な解説として、『ワードマップ 現代形而上学』【041】の第8章が役立つ)。知覚の哲学の本格的な復興前夜に錯覚論法と幻覚論法に抗って直接実在論を徹底的に擁護したA・D・スミス『知覚の問題』【036】は、E・フッサール、M・ハイデガー、M・メルロ=ポンティといった現象学者たちの議論をW・セラーズやJ・マクダウェルのような分析哲学者たちの議論のなかに継ぎ目なしに溶け込ませた(すこし早すぎた)名著だ。サルトルの想像力論を参照しつつ知覚とイメージの違いを論じた『マインドサイト』【028】は、著者C・マッギンのその後の醜聞を踏まえると言及することにやや躊躇してしまうが、分析哲学と現象学が接近する過程を象徴する一冊である。メルロ=ポンティにも依拠し、知覚を受動的な状態ではなく私たちのなす行為として捉える「エナクティヴ・アプローチ」を提案するA・ノエ『知覚のなかの行為』【027】も、現象学の伝統のなかで培われた発想が現代の知覚論に新たな着想をいかに与えうるかについて、読者に多くのヒントを与えてくれるだろう。分析哲学者による古典的現象学の参照は、知覚や想像といった個別の意識的経験に関する議論だけでなく、意識に関するより一般的な事柄が問題になる場面でも見られる。分析哲学における時間意識への関心の高まりを代表するB・デイントン『意識の流れ』【033】では、フッサールの初期時間論が詳しく検討されている。非知覚的な意識(意識的な思考・情動・意志)を分類し、その基本的な構造を明らかにするU・クリーゲル『意識の諸相』【035】は、F・ブレンターノの記述的心理学のプロジェクトを継承する(また、同書の意志に関する議論がリクールに多くを負うことも、ここで言及に値する)。また、私たちの経験が事物・性質・出来事・可能性・自己・身体・他者・感情にどのように関わるのかを、古典的現象学からの引用をふんだんに交えつつ論じたJ・スミス『現象学を経験する』【034】は、分析哲学を背景に持つ著者による良質な現象学入門として薦められる。
 最近約20年の動向としての現代現象学には、もちろん先駆者たちがいる。ブレンターノやA・マイノングの研究者としても知られるR・M・チザムによる『知覚』【026】(1956年)は、戦後の分析哲学における認識論・知覚の哲学の古典であると同時に、この伝統から現象学への接近の最初期の例でもある。また1980年代には、現象学による分析哲学との対話も本格化しはじめた。この試みのドキュメントとしてまず挙げるべきは、H・L・ドレイファスによる編著【044】だろう。また、チザムと連携しつつブレンターノ学派(あるいはオーストリア哲学)や初期現象学の研究を牽引したB・スミスを編者の一人として出版された【043】は、1990年代における分析哲学的なフッサール研究のショーケースとして読むことができる。これらとは主題が異なっているが、Ch・テイラーの『自我の源泉』【039】は、ヘーゲル研究の伝統を踏まえながら、ハイデガーやH・G・ガダマーの解釈学の成果を取り入れて、当時の英米哲学の主流をなす自然主義と対決しつつ、近代的アイデンティティの問題を考察している。さらに近年にもテイラーはドレイファスとの共著【096】において、実在論・観念論という哲学の基本問題にも取り組んで、現代哲学に大きなインパクトを与えている。
 以上のような観点から日本の哲学界を振り返ると、現代現象学やその先駆形態と共鳴する仕事が見出される。ドレイファス周辺の議論やR・ローティのプラグマティズムをほぼリアルタイムでフォローしつつ、その単なる追従には終わらない独自の反基礎づけ主義的な現象学を標榜する野家啓一 『無根拠からの出発』【031】は、その先見の明を評価しつつ、現代の議論状況を踏まえて再訪すべき著作である。ドレイファスとローティに捧げられ、ハイデガーやフッサールを現代哲学の土俵に乗せて論じる門脇俊介『破壊と構築』【029】は、同じ著者による【042】【045】【053】【097】と合わせて、現代現象学のあるべき姿のひとつを鮮やかに描き出していた。フッサールの知覚論における射映概念の再検討に始まり、J・J・ギブソンの生態学的心理学を現象学的な考察によって補完する「生態学的現象学」の提案で閉じられる村田純一『色彩の哲学』【030】も、同様の観点から日本における現代現象学の試みとみなすことができるだろう (なお、村田は上述の【032】にも色彩論を寄せている)
 このように「現代現象学」と呼ばれうる動向は、現象学の伝統を踏まえながら、現代哲学におけるさまざまなトピックの議論に取り組むことによって、現象学的アプローチを哲学への取り組みとして活かし続けている。

nnn

糸谷哲郎(日本将棋連盟棋士八段)

「現象学を理解する最も生産的なやり方は現象学の中に住むことだ」(p. 197)。
分析哲学をバックグラウンドにもち、フッサール、ハイデガー、サルトルらのテキストに精通する著者による、現代現象学への誘いの書。 八重樫 徹(哲学、東京大学大学総合教育研究センター特任研究員)

第二部 哲学の古典的主題

2-1 真(富山 豊)

045 門脇俊介 フッサール:心は世界にどうつながっているのか 2004 NHK出版
046 貫 成人 経験の構造:フッサール現象学の新しい全体像 2003 勁草書房
047 M・ダメット(藤田晋吾) 真理という謎 1986 勁草書房
048 金子洋之 ダメットにたどりつくまで 2006 勁草書房
049 M. Dummett The Logical Basis of Metaphysics 1991 Harvard U. P.
050 M・ダメット(野本和幸ほか) 分析哲学の起源:言語への転回 1998 勁草書房
051 J・R・サール(坂本百大) 志向性:心の哲学 1997 誠信書房
052 R・ブランダム(斎藤浩文) 推論主義序説 2016 春秋社
053 門脇俊介 『存在と時間』の哲学I 2008 産業図書

2-2 善 (吉川 孝)

054 F・ブレンターノ(水地宗明) 「道徳的認識の源泉について」
『世界の名著 ブレンターノ フッサール』所収
1970 中央公論社
055 E・フッサール
(吉川孝、八重樫徹)
「評価と行為の現象学」
『現代思想 総特集フッサール:現象学の深化と拡張』所収
2009 青土社
056 M・シェーラー(吉沢伝三郎) 倫理学における形式主義と実質的価値倫理学 上 2002 白水社
057 M・シェーラー(吉沢伝三郎) 倫理学における形式主義と実質的価値倫理学 中 2002 白水社
058 M・シェーラー(吉沢伝三郎) 倫理学における形式主義と実質的価値倫理学 下 2002 白水社
059 八重樫徹 フッサールにおける価値と実践 : 善さはいかにして構成されるのか 2017 水声社
060 吉川孝、池田喬、横地徳広編著 生きることに責任はあるのか:現象学的倫理学への試み 2012 弘前大学出版会
061 古田徹也 それは私がしたことなのか:行為の哲学入門 2013 新曜社
062 J・レイチェルズ、S・レイノルズ(次田憲和) 新版 現実をみつめる道徳哲学:安楽死・中絶・フェミニズム・ケア 2017 晃洋書房
063 加藤尚武, 児玉聡 編・監訳 徳倫理学基本論文集 2015 勁草書房
064 品川哲彦 正義と境を接するもの:責任という原理とケアの倫理 2007 ナカニシヤ出版
065 太田紘史 編著 モラル・サイコロジー:心と行動から探る倫理学 2016 春秋社
066* L・グルーエン(河島基弘) 動物倫理入門 2015 大月書店
067* C・ダイアモンドほか(中川雄一) 〈動物のいのち〉と哲学 2010 春秋社
068* M. Gubser The Far Reaches: Phenomenology, Ethics, and Social Renewal in Central Europe 2014 Stanford U. P.
069* A.C. MacIntyre Dependent Rational Animals: Why Human Beings Need the Virtues 2001 Open Court Pub

「事象そのもの」に迫るのは現象学の特権と思っている人は、この本を手にとって打ちのめされましょう。現象学者も顔負けの精緻な分析が、現代哲学の枠組みの更新を迫り、行為者としての人間の真の姿を浮かび上がらせている。 吉川 孝(倫理学、高知県立大学教員)

2-3 美(森 功次)

071
R・ステッカー(森 功次) 2013
勁草書房
070 佐々木健一 美学辞典 1995 東京大学出版会
071 R・ステッカー(森 功次) 分析美学入門 2013 勁草書房
072 R・オーデブレヒト (太田喬夫) 芸術価値論:美的価値体験 2011 中央公論美術出版
073 高梨友宏 美的経験の現象学を超えて:現象学的美学の諸相と展開 2001 晃洋書房
074 M・メルロ=ポンティ (富松保文) 『眼と精神』を読む 2015 武蔵野美術大学出版局
075 M・アンリ(青木研二) 見えないものを見る〈新装版〉:カンディンスキー論 2016 法政大学出版局
076 春木有亮 実在のノスタルジー:スーリオ美学の根本問題 2010 行路社
077 樋口聡 スポーツの美学:スポーツの美の哲学的探究 1987 不昧堂出版
078 西村清和 遊びの現象学 1989 勁草書房
079 津上英輔 あじわいの構造:感性化時代の美学 2010 春秋社
080 小熊正久・清塚邦彦編著 画像と知覚の哲学 2015 東信堂
081* J-P・サルトル(平井啓之) 想像力の問題 1975 人文書院
082* 金田晉 芸術作品の現象学 1990 世界書院
083* G・ドゥルーズ(山県 煕) 感覚の論理:画家フランシス・ベーコン論 2004 法政大学出版局
084* M・デュフレンヌ(棧 優) 眼と耳:見えるものと聞こえるものの現象学 1995 みすず書房
085* G・ベーメ(梶谷真司ほか) 雰囲気の美学:新しい現象学の挑戦 2006 晃洋書房
086* 谷川渥 美学の逆説 2003 筑摩書房

nnn

岡本源太(美学、岡山大学教員)

nnn

岡本源太(美学、岡山大学教員)

071ステッカー『分析美学入門』

美学において大事なのは現象学的態度であって、分析哲学とか分析美学とかは重要ではない、、、などと考えているひとは、いますぐこの本を読むべき。現代美学のスタートラインに立つための一冊。 森 功次(美学、山形大学学術研究員)

2-4 世界(佐藤 駿)

096
H・ドレイファス、
C・テイラー(村田純一ほか) 2016
法政大学出版局
087 G・バークリ(大槻春彦) 人知原理論 1958 岩波書店
088 A・ショーペンハウアー (西尾幹二) 意志と表象としての世界I 2004 中央公論新社
089 A・ショーペンハウアー (西尾幹二) 意志と表象としての世界II 2004 中央公論新社
090 A・ショーペンハウアー (西尾幹二) 意志と表象としての世界III 2004 中央公論新社
091 L・ウィトゲンシュタイン (野矢茂樹) 論理哲学論考 2003 岩波書店
092 佐藤 駿 フッサールにおける超越論的現象学と世界経験の哲学 2015 東北大学出版会
093 植村玄輝 意識・存在・真理:フッサール『論理学研究』を読む 2017 知泉書館
094 H・パトナム(野本和幸ほか) 理性・真理・歴史:内在的実在論の展開(新装版) 2012 法政大学出版局
095 J・マクダウェル(神崎 繁ほか) 心と世界 2012 勁草書房
096 H・ドレイファス、C・テイラー(村田純一ほか) 実在論を立て直す 2016 法政大学出版局
097 門脇俊介 理由の空間の現象学 2002 創文社
098 E・フィンク(座小田豊ほか) 存在と人間:存在論的経験の本質について 2007 法政大学出版局
099 武内 大 現象学と形而上学 2010 知泉書館
100* I・カント(原 佑) 純粋理性批判 上 2005 平凡社
101* I・カント(原 佑) 純粋理性批判 中 2005 平凡社
102* I・カント(原 佑) 純粋理性批判 下 2005 平凡社
103* N・グッドマン(菅野盾樹) 世界制作の方法 2008 筑摩書房
104* ヒラリー・パトナム (野本和幸ほか) 心・身体・世界:三つ撚りの綱/自然な実在論(新装版) 2011 法政大学出版局
105* 倉田 剛 現代存在論講義I 2017 新曜社

nnn

岡本源太(美学、岡山大学教員)

『ワードマップ 現代現象学』執筆者世代にとってのある種のトラウマの書。「こんなことができるなら私も現象学をやる!」と思ってそのまま大学院に進学した人も結構いるはず(少なくともここに一人)
著者の早逝があらためて惜しまれる。 植村玄輝(哲学、岡山大学教員)

2-5 魂(植村玄輝)

110
T・クレイン(植原 亮) 2010
勁草書房
106 J-P・サルトル(竹内 芳郎) 自我の超越:情動論素描 2000 人文書院
107 R・インガルデン (武井勇四郎、赤松常弘) 人間論 法政大学出版局
108 M・シェーラー (亀井裕、山本達) 宇宙における人間の地位 2012 白水社
109 H・L・ドレイファス (門脇俊介ほか) 世界内存在 2000 産業図書
110 T・クレイン(植原 亮) 心の哲学:心を形づくるもの 2010 勁草書房
111 中畑正志 魂の変容:心的基礎概念の歴史的構成 2011 岩波書店
112 信原幸弘 ワードマップ 心の哲学 2017
113 源河 亨 知覚と判断の境界線:「知覚の哲学」基本と応用 2017 慶應義塾大学出版会
114 D・チャーマーズ (太田紘史ほか) 意識の諸相 上 2016 春秋社
115 D・チャーマーズ (太田紘史ほか) 意識の諸相 下 2016 春秋社
116 D・カッツ (東山篤規、岩切絹代) 触覚の世界 2003 新曜社
117 T. Crane Aspects of Psychologism 2014 Harvard U. P.
118* ウィリアム・フィッシュ (山田圭一ほか) 知覚の哲学入門 2014 勁草書房
119* 平井靖史ほか編 ベルクソン『物質と記憶』を解剖する 2016 書肆心水

106サルトル『自我の超越』

〈エゴEgo〉とは意識の中に住まう「住人」ではない! 心と世界との関係を一新した、初期フランス現象学の画期的著作『自我の超越』。合本の『情動論素描』も、感情を「世界把握の一方法」として捉えるという、斬新かつ独特の知見に溢れている。何よりもオススメなのは、、、これ一冊で二冊読める! 森 功次(美学、山形大学学術研究員)

志向性の問題を中心に心の哲学の地図を描きなおすクレインの試みは、現象学に関心のある人にこそもっと読まれるべき。
索引を見て「あんまり現象学者出てこないな」とスルーした人もこの機会にぜひ。 植村玄輝(哲学、岡山大学教員)

2-6 神(武内 大・吉川 孝)

003
J-L・マリオン (永井 晋、中島盛夫)2010
法政大学出版局
120 D・ジャニコー (北村 晋ほか) 現代フランス現象学:その神学的転回 1994 文化書房博文社
121 E・レヴィナス(合田正人) 全体性と無限:外部性についての試論 1989 国文社
122 E・レヴィナス(内田 樹) 観念に到来する神について 新装版 2017 国文社
123 M・アンリ(北村 晋) 現出の本質 上 2005 法政大学出版局
124 M・アンリ(北村 晋) 現出の本質 下 2005 法政大学出版局
125 M・アンリ(中 敬夫ほか) 実質的現象学:時間・方法・他者 2000 法政大学出版局
126 J-L・マリオン (芦田宏直) 還元と贈与:フッサール・ハイデガー現象学論攷 1994 行路社
127 J-L・マリオン (永井 晋、中島盛夫) 存在なき神 2010 法政大学出版局
128 J・デリダ (小林康夫、西山雄二) 名を救う:否定神学をめぐる複数の声 2005 未来社
129 永井 晋 現象学の転回:「顕現しないもの」に向けて 2007 知泉書館
130 新田義弘 世界と生命:媒体性の現象学へ 2001 青土社

現代の哲学・諸学との接点

3-1 認知(宮原克典・新川拓哉)

140
M・メルロー=ポンティ (竹内芳郎ほか) 1974
みすず書房
131 門脇俊介、信原幸弘編 ハイデガーと認知科学 2002 産業図書
132 A・クラーク (呉羽 真ほか) 生まれながらのサイボーグ:心・テクノロジー・知能の未来 2012 春秋社
133 F・ヴァレラほか (田中靖夫) 身体化された心:仏教思想からのエナクティブ・アプローチ 2001 工作舎
134 河野哲也 環境に拡がる心:生態学的哲学の展望 2005 勁草書房
135 田中彰吾 生きられた〈私〉をもとめて:身体・意識・他者 2017 北大路書房
136 信原幸弘、太田紘史編 シリーズ新・心の哲学Ⅱ(意識篇) 2014 勁草書房
137 C・コッホ (土谷尚嗣、小畑史哉) 意識をめぐる冒険 2014 岩波書店
138 G・ノルトフ(高橋 洋) 脳はいかに意識をつくるのか:脳の異常から心の謎に迫る 2016 白揚社
139 村田純一 知覚と生活世界:知の現象学的理論 1995 東京大学出版会
140 M・メルロー=ポンティ (竹内芳郎ほか) 知覚の現象学1 1967 みすず書房
141 M・メルロー=ポンティ (竹内芳郎ほか) 知覚の現象学2 1974 みすず書房
142 A. Gurwitsch Studies in Phenomenology and Psychology 1979 Northwestern U. P.
143* S・コイファー、A・チェメロ (田中彰吾、宮原克典) 現象学入門:新しい心の科学と哲学のために 未定 勁草書房
144* A・クラーク (池上高志、森本元太郎) 現れる存在:脳と身体と世界の再統合 2012 NTT出版
145 松葉祥一ほか編 メルロ=ポンティ読本 未定 法政大学出版局

nnn

加藤秀一(社会学、明治学院大学教員)

3-2 政治と身体(池田 喬)

155
I・M・ヤング(岡野八代ほか) 2014
岩波書店
146 M・メルロ=ポンティ (木田 元ほか) 人間の科学と現象学 2001 みすず書房
147 S・de・ボーヴォワール (第二の性を原文で読み直す会) 第二の性1 2001 新潮社
148 S・de・ボーヴォワール (第二の性を原文で読み直す会) 第二の性2 上 2001 新潮社
149 S・de・ボーヴォワール (第二の性を原文で読み直す会) 第二の性2 下 2001 新潮社
150 S・de・ボーヴォワール (朝吹三吉) 老い 上 2013 人文書院
151 S・de・ボーヴォワール (朝吹三吉) 老い 下 2013 人文書院
152 M・ヌスバウム(神島裕子) 正義のフロンティア:障碍者・外国人・動物という境界を越えて 2012 法政大学出版局
153 E・F・キテイ(岡野八代ほか) 愛の労働あるいは依存とケアの正義論 2010 白澤社
154 N・ノディングス(佐藤 学監訳) 学校におけるケアの挑戦 2007 ゆみる出版
155 I・M・ヤング(岡野八代ほか) 正義への責任 2014 岩波書店
156 E・レルフ(高野岳彦ほか) 場所の現象学:没場所性に抗して 1999 筑摩書房
155 H・ルフェーブル(森本和夫) 都市への権利 2011 筑摩書房
157 D・ハーヴェイ(森田成也ほか) 反乱する都市 2013 作品社
158* I. M. Young On Female Body Experieinces:"Throwing Like a Girl" and Other Essays 2005 Oxford U. P.
159* 『理想』第695号 特集「男女共同参画」 2015 理想社
160* 岡野八代 フェミニズムの政治学:ケアの倫理をグローバル社会へ 2012 みすず書房

3-3 他人の心(八重樫 徹)

172
小手川正二郎 2015
水声社
162 A. Avramides Other Minds 2000 Routledge
163 J・L・オースティン(坂本百大鑑訳) オースティン哲学論文集 1991 勁草書房
164 野矢茂樹 哲学・航海日誌 I 2010 中央公論新社
165 野矢茂樹 哲学・航海日誌 II 2010 中央公論新社
166 子安増生 心の理論—心を読む心の科学 2000 岩波書店
167 K. Stueber Rediscovering Empathy: Agency, Folk Psychology, and the Human Sciences 2006 A Bradford Book
168 D. Zahavi Self and Others: Exploring Subjectivity, Empathy, and Shame 2017 Oxford U. P.
169 M・シェーラー (吉沢伝三郎、飯島宗享) 同情の本質と諸形式 2002 白水社
170 斎藤慶典 思考の臨界 2000 勁草書房
171 田口 茂 現象学という思考 2014 筑摩書房
172 小手川正二郎 甦るレヴィナス 2015 水声社
173* A・スミス(高 哲男) 道徳感情論 2013 講談社
174* S. Overgaard Wittgenstein and Other Minds 2009 Routledge

「レヴィナス哲学は現象学なのか」という問いにはっきりと肯定的に答え、秘教性を払拭する野心的解釈。ウィリアムズらの近代道徳哲学批判に呼応しつつ、「レヴィナス的倫理学」を構想する。 八重樫 徹(哲学、東京大学大学総合教育研究センター特任研究員)

3-4 法と社会(植村玄輝)

183
A. Salice & H. B. Schmid (eds.) 2016
Springer
175 A・シュッツ(佐藤嘉一) 社会的世界の意味構成 2006 木鐸社
176 A・シュッツ、Th・ルックマン (那須 壽 監訳) 生活世界の構造 2015 ちくま学芸文庫
177 尾高朝雄 ノモス主権への法哲学 2017 書肆心水
178 D・ザハヴィ(中村拓也) 初学者のための現象学 2015 晃洋書房
179 柏端達也 自己欺瞞と自己犠牲 2007 勁草書房
180 大屋雄裕 法解釈の言語哲学 2006 勁草書房
181 P・ウィンチ(森川真規雄) 社会科学の理念 1977 新曜社
182 前田泰樹ほか編 ワードマップ エスノメソドロジー 2007 新曜社
183 A. Salice & H. B. Schmid (eds.) The Phenomenological Approach to Social Reality 2016 Springer
184* E・フッサール (浜渦辰二・山口一郎監訳) 間主観性の現象学 その方法 2012 ちくま学芸文庫
185* E・フッサール (浜渦辰二・山口一郎監訳) 間主観性の現象学 その展開 2013 ちくま学芸文庫
186* E・フッサール (浜渦辰二・山口一郎監訳) 間主観性の現象学 その行方 2015 ちくま学芸文庫

学生時代に現象学者たちがフッサールのどこそこにこんなことが書いてあるという議論ばっかりやっていたのを見ながら「はやく事象そのものへ向かえよ」と思っていた。のちに、エスノメソドロジーに出会って「ん? これが現象学が本来やろうとしていたはずのことではないの?」と目から鱗が落ちました。
現象学の鬼っ子エスノメソドロジーから、現象学のあり方を逆に照らし出すことが大切では? 戸田山和久(哲学、名古屋大学教員)

nnn

吉良貴之(法哲学、宇都宮共和大学教員)

3-5a ケアと看護1(吉川 孝)

191
P・ベナーほか(早野 ZITO 真佐子) 2015
医学書院
187 H・シュピーゲルベルグ (西村良二) 精神医学・心理学と現象学 1994 金剛出版
188 D・ラングドリッジ (田中彰吾ほか) 現象学的心理学への招待:理論から具体的技法まで 2016 新曜社
189 A・ジオルジ(吉田章宏) 心理学における現象学的アプローチ:理論・歴史・方法・実践 2013 新曜社
190 P・ベナー、J・ルーベル (難波卓志) 現象学的人間論と看護 1999 医学書院
191 P・ベナーほか(早野 ZITO 真佐子) ベナー 看護実践における専門性:達人になるための思考と行動 2015 医学書院
192 M・ヴァン・マーネン(村井尚子) 生きられた経験の探究 2011 ゆみる出版
193* S. カイ トゥームズ(永見 勇) 病いの意味:看護と患者理解のための現象学 2001 日本看護協会出版会
194* H・L・ドレイフュス、S・E・ドレイフュス(菊池理夫ほか) 「道徳性とは何か:道徳的熟達の発展に関する現象学的説明」
『共同主義対普遍主義』所収
1998 日本経済評論社

 現象学は人間科学の方法論としてさまざまな分野において発展しており、そこにはE・フッサールの構想した「現象学的心理学」の正統な後継が見いだされる。現象学的心理学の歴史については、『現象学運動』【005】の著者、H・スピーゲルバーグ(シュピーゲルベルグ)による包括的研究がある『精神医学・心理学と現象学』【187】。精神医学、心理学、教育学などにおける現象学的アプローチ、つまり「人間科学における現象学」は、ヨーロッパや北米などを中心に世界各国に広まった。この動向が人間科学としての看護学の確立の時期と重なったため、現象学的アプローチは看護の質的研究の方法論として積極的に取り入れられた。>>解説文を開く

 哲学としての現象学はどのように人間科学に受容されたのだろうか。D・ラングドリッジは、『現象学的心理学への招待:理論から具体的技法まで』【188】において、フッサール、M・ハイデガー、P・リクールなどを背景とするような、心理学における質的研究の方法の諸相を紹介している。現在の看護研究における現象学的アプローチに目を向ければ、フッサールとハイデガーに根ざした方法が有力視されている。一方でA・ジオルジは『心理学における現象学的アプローチ:理論・歴史・方法・実践』【189】において、フッサールの「生きられた世界(生活世界)」の本質分析を人間科学の方法論へと練り上げて、看護学にも大きな影響を与えている。インタヴューなどの素材をもとに体験の意味を取り出す手法は、「本質直観」を人間科学へ適用したものになっている。他方でP・ベナーは、H・L・ドレイファスの『世界内存在』【109】のハイデガー読解に依拠して「解釈学的看護学・解釈的看護学」を展開している。『現象学的人間論と看護』【190】では、ハイデガーにおける「気づかい(ケアリング)」の一次性という洞察をふまえ、看護にかかわるさまざまな現象が検討されている。

 さらにベナーは「技能知」の「ドレイファスモデル」(チェスプレーヤーや航空機パイロットの技能の発達モデル)を手がかりに、看護師の技能知の形成を解明しており、『ベナー 看護実践における専門性:達人になるための思考と行動』【191】はその集大成になっている。看護実践のさまざまな事例を検討したこの体系的著作には、H・L・ドレイファスとS・E・ドレイファスの兄弟も参加しており、看護学と現象学的哲学との共同研究の注目すべき実例になっている。看護師の職業倫理をもある種の技能と見なして、熟達性の獲得という観点から考察する方法は、応用倫理学の分野における現象学からのアプローチとして大きな意味をもつだろうし、「達人」の経験の分析は徳倫理学【062】との関係においても研究課題となるだろう。

 技能知の現象学的解明として忘れてはならないのが、M・ヴァン・マーネンの『生きられた経験の探究』【192】である。そこでは、教えることをめぐる実践知がどのように蓄積されて、優れた行為を導くのかという問題が考察されている。しかも、この著作は、親として子供をケアする経験の意味を解明する「親の現象学」の試みになっている。このような看護や教育における「ケア」の分析はそれ自体において意味をもっているが、現代現象学の観点からは、これらの成果を道徳哲学や政治哲学の文脈(品川哲彦【064】、E・F・キテイ【153】、N・ノディングス【154】との関連において検討することが求められている。現象学とケアとがどのように結びつくかについては、『ワードマップ 現代現象学』【000】のコラム「現象学とケア」においても、いくつかの方向性が示されている。(吉川 孝)

nnn

中山洋子(看護学、高知県立大学 特任教授)

3-5b ケアと看護2(前田泰樹)

196
西村ユミ 2001
ゆみる出版
195 佐藤登美・西村ユミ編 「生きるからだ」に向き合う:身体論的看護の試み 2014 へるす出版
196 西村ユミ 語りかける身体:看護ケアの現象学 2001 ゆみる出版
197 看護研究49(4) 特集 看護と哲学:共同がもたらす新たな知 2016 医学書院
198 西村ユミ 看護師たちの現象学:協働実践の現場から 2014 青土社
199 村上靖彦 摘便とお花見:看護の語りの現象学 2013 医学書院
200 前田泰樹 心の文法:医療実践の社会学 2008 新曜社
201* 松葉祥一・西村ユミ編 現象学的看護研究:理論と分析の実際 2014 医学書院
202* 看護研究45(4) 特集 経験を記述する:現象学と質的研究 2012 医学書院
203* 看護研究44(1) 焦点 現象学的研究における「方法」を問う 2011 医学書院
204* 現代思想 2013年8月号 特集 看護のチカラ:「未来」にかかわるケアのかたち 2013 青土社

3-6 人生(八重樫 徹)

206
D・ウィギンズ (大庭健、奥田太郎鑑訳) 2014
勁草書房
205 Th・ネーゲル(永井 均) コウモリであるとはどのようなことか? 1989 勁草書房
206 D・ウィギンズ (大庭健、奥田太郎鑑訳) ニーズ・価値・真理 2014 勁草書房
207 S. Wolf Meaning in Life and Why It Matters 2012 Princeton U. P.
208 Th. Metz Meaning in Life: An Analytic Study 2016 Oxford U. P.
209 青山拓央 幸福はなぜ哲学の問題になるのか 2016 太田出版
210 佐藤岳詩 R・M・ヘアの道徳哲学 2012 勁草書房
211 P. Hadot Philosophy as a Way of Life 1995 Wiley-Blackwell
212 納富信留 ソフィストとは誰か 2015 筑摩書房
213 吉川 孝 フッサールの倫理学 2011 知泉書館
214 池田 喬 存在と行為 2011 創文社
215* R・ノージック(坂本百大) 考えることを考える 下
216* P・リクール(久米博) 時間と物語 I:物語と時間性の循環/歴史と物語 2004 新曜社
217* P・リクール(久米博) 時間と物語 II:フィクション物語における時間の統合形象化 2004 新曜社
218* P・リクール(久米博) 時間と物語 III:物語られる時間 2004 新曜社
219* A・マッキンタイア(篠崎 栄) 美徳なき時代 5940 みすず書房
220* H・アーレント(大島かおり) ラーエル・ファルンハーゲン 6480 みすず書房

 書店の或る棚(哲学・思想の棚ではない)の前に行くと、『~な人生の変え方』、『人生の9割は~』、さらにはそのものずばり『生き方』(!)といったタイトルの本を目にするだろう。どんな哲学書よりもよく売れるこうした本を、哲学の「専門家」は鼻で笑いがちだが、その一方で、生き方に迷ったときに哲学に手がかりを求める人はそれなりにいる。そうした需要に哲学者は応える必要がないのだろうか。応えるべきだと考える哲学者も実はそれなりにいるし、近年その数は増えているようだ。>>解説文を開く

 哲学が「頭のいい専門家」たちによる高度なゲームといった様相をますます呈するようになってきた1970 年頃に、Th・ネーゲル『コウモリであるとはどのようなことか』【205】所収の「人生の無意味さ」など)やR・ノージック『考えることを考える』下巻【215】所収の「人生の意味」)が「人生の意味」といういかにも素人臭いテーマを論じたのは、皮肉を含んだパフォーマンスという意味合いもないわけではなかっただろう。ノージックによれば、有限な存在であるわれわれが生きることに意味を見出すためには、それを外部に求めざるをえない。しかし、意味を与えてくれるように見える当のもの(愛する人や仕事など)もまた有限であるかぎり、意味の探求は終わらない。終わるとすれば無限な存在に意味の源泉を求めるときだけだ。こうして、人生の意味の唯一の源泉は神だということになる。ネーゲルは人生の無意識さの問題が生じる原因を、人生から一歩引いて眺める視点に求める。そうした視点に立ってしまうことは人間にとって不可避である。それゆえ、人生の無意味さを感じることもまた不可避だということになる。しかし、それでも人間は真剣に自分の人生を生きることができるし、生きざるをえない。ネーゲルは無意味だとわかっている人生をそれでも大切に生きるアイロニカルな真剣さの態度を薦める。

 意味のある人生を生きることが価値のあることだとすれば、それはどのような価値なのかが問題になる。ある人が幸福であることや道徳的であることと、意味のある人生を生きていることは、どのような関係にあるのか。こうした問いを立てるとき、人生の意味は倫理学の問題になる。R・M・ヘア(ヘア自身の著作は邦訳も複数あるが、ここでは人生の意味に関する議論に一章を割いている良質なヘア研究書である佐藤岳詩『R・M・ヘアの道徳哲学』【210】を挙げておく)やD・ウィギンズ『ニーズ・価値・真理』【206】所収の「真理・発明・人生の意味」)は、倫理学の問題として人生の意味の問題を取り上げた。S・ウルフ『人生の意味、なぜ問題なのか』【207】はそもそも人生の意味がなぜ倫理学の問題になるのかをあらためて論じた。

 近年では、人生の意味は形而上学、倫理学、美学、心の哲学などの知見を動員して取り組まれるべき一つの大きな応用問題とみなされ、哲学業界の中に「『人生の意味』産業」とでもいうべきものが出現している。そうなるきっかけを作ったTh・メッツ『人生の意味:分析的研究』【208】は、人生の意味に関する可能な理論的選択肢を整理し、それぞれのメリットとデメリットを明らかにしたうえで自らの立場を選択し、可能な批判に対して擁護するという、お手本どおりのアカデミック哲学のスタイルで人生の意味を論じた。日本の分析哲学者が書いた最近の本として、青山拓央『幸福はなぜ哲学の問題になるのか』【209】も挙げておきたい。本自体のテーマは「幸福」だが、人生の意味をめぐる何人かの哲学者の議論のコンパクトな紹介を含んでいる。

『ワードマップ 現代現象学』【000】第9章では、「人生の意味」や「生き方」について考えるときに、現象学の視点、つまり経験に寄り添う視点に立つことが有益だということを論じているが、「生き方」の問題への現象学的アプローチの成果と呼べるものはそれほど多くない。吉川 孝『フッサールの倫理学』【213】はフッサールの倫理思想の展開を追いながら生き方について現象学に何が言えるのかを問う本であり、八重樫徹『フッサールにおける価値と行為』【059】も一章を割いてフッサールの立場から人生の意味を論じている。ハイデガー『存在と時間』における幸福と死を論じた池田 喬『存在と行為』【214】の第4章も、生き方の問題を現象学的に扱ったものと言えるだろう。

 生きることがつねに一人称的な経験を生きることだとすれば、哲学者はすでに生きてしまっている(あるいは生きているつもりになっている)哲学者としての自分の人生から離れて生き方について考えることはできないだろう。いや、できるかもしれないが、少なくとも経験に寄り添う哲学者にはそれは許されない。では、哲学者として生きるとはどのようなことなのだろうか。あるいは、生きることにとって哲学することはどのような意味をもつのだろうか。こうした問いは古代から存在する。P・アド『生き方としての哲学』【211】は、古代哲学を生き方の探求という視点から解釈する画期的な本。後期フーコーにも影響を与えた。納富信留『ソフィストとは誰か?』【212】も同じく古代哲学研究者が、哲学者という生き方はソフィストから自らを区別するという仕方で構造的に確立されてきたという基本発想から、生き方としての哲学とはどのようなものであったか、どのようなものであるべきかを力強く論じた好著。いずれも現象学の伝統の内部で書かれた本では当然ないが、現象学の立場から生き方を考えようとするときに避けては通れない本である。

 「生きることにとって哲学することはどのような意味をもつのか」という問いは哲学者だけのものではなく、書店の「生き方本」コーナーに立ち止まる人々にとっても意味をもつ問いだろう。この問いを考える人にとって、ソクラテスやショーペンハウアーやブッダの思想と並んで、現代現象学も参照に足る一つの選択になればよいと思う。(八重樫 徹)

nnn

納富信留(哲学、東京大学教員)

哲学と伝記とを別物とみなすような哲学観は問い直されるべきかもしれない。アレントによる一人のユダヤ人女性の評伝は、愛、孤独、世界、人生などの現代哲学のトピックへの現象学的アプローチの最良の実践になっている。 吉川 孝(倫理学、高知県立大学教員)

3-7 現代現象学のライバル(葛谷 潤)

224
R・ミリカン(信原幸弘) 2007
勁草書房
221 F. Dretske Knowledge and the Flow of Information 1999 CSLI Pub.
222 F・ドレツキ(水本正晴) 行動を説明する 2005 勁草書房
223 F・ドレツキ(鈴木貴之) 心を自然化する 2007 勁草書房
224 R・ミリカン(信原幸弘) 意味と目的の世界 2007 勁草書房
225 戸田山和久 哲学入門 2014 筑摩書房
226 G. Evans The Varieties of Reference 1982 Oxford U. P.
227 G. Evans Collected Papers 1996 Oxford U. P.
228 Ch. Peacocke A Study of Concepts 1995 The MIT Press
229 G・ライル(坂本百大ほか) 心の概念 1987 みすず書房
230 W・セラーズ(浜野研三) 経験論と心の哲学 2006 岩波書店
231* M・ダメット(金子洋之) 思想と実在 2010 春秋社
232* M・ダメット
(藤田晋吾、中村正利)
真理と過去 2004 勁草書房

nnn

戸田山和久(哲学、名古屋大学教員)

nnn

戸田山和久(哲学、名古屋大学教員)

選書者紹介

酒井泰斗(さかい たいと)

会社員。ルーマン・フォーラム管理人(socio-logic.jp)。
社会科学の前史としての道徳哲学・道徳科学の歴史を関心の中心に置きつつ、このブックガイドの趣旨通りに現象学を利用しながら日々書棚を散策しています。ここ10年ほどは、自分が読みたい本を ひとさまに書いていただく簡単なお仕事などもしています。 >>業績

村田憲郎(むらた のりお)

東海大学教授。一橋大学社会学研究科博士課程修了。博士(社会学)。
フッサールの時間論を研究してきましたが、最近はブレンターノも読み始めました。事象的には個体性、心的出来事などをめぐる議論に関心があります。 >>業績

小手川 正二郎(こてがわ しょうじろう)

國學院大學文学部哲学科准教授。慶應義塾大学大学院文学研究科修了。
専門は現象学・フランス哲学。現在の関心は、フェミニスト現象学、家族の現象学、責任の現象学。 >>業績

植村玄輝(うえむら げんき)

岡山大学大学院社会文化科学研究科講師。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程満期退学。博士(哲学)。
専門は初期現象学、とりわけフッサールの超越論的観念論と現象学における実在論・観念論問題、現象学派の社会哲学。最近は現象学の方法論に特に関心があります。 >>業績

八重樫 徹(やえがし とおる)

東京大学大学総合教育研究センター特任研究員。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。
専門は初期現象学,現代倫理学,感情の哲学。 >>業績

吉川 孝(よしかわ たかし)

高知県立大学文化学部准教授。慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程満期退学。博士(哲学)。>>業績

富山 豊(とみやま ゆたか)

東京大学大学院人文社会系研究科助教、慶應義塾大学非常勤講師、横浜女子短期大学非常勤講師。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。専門はフッサール現象学。 >>業績

森 功次(もり のりひで)

東京大学教務補佐員/山形大学学術研究員。慶應義塾大学、桜美林大学、文星芸術大学非常勤講師。博士(文学)。>>業績

佐藤 駿(さとう しゅん)

東北大学大学院文学研究科助教。2012年東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。>>業績

武内 大(たけうち だい)

自治医科大学医学部総合教育部門教授。東洋大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(文学)。 >>業績

宮原克典(みやはら かつのり)

日本学術振興会海外特別研究員/ハーバード大学哲学研究員/東京大学学術研究員。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。
認知科学と現象学の双方向的な融合(現象学をとりこんだ認知科学、認知科学をとりこんだ現象学)の可能性を追究しています。 >>業績

新川拓哉(にいかわ たくや)

日本学術振興会特別研究員(千葉大学、PD)/藤女子大学非常勤講師。北海道大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。
形而上学、現象学、認知科学を結びつけて意識についての包括的理論を構築することに関心があります。 >>業績

池田 喬(いけだ たかし)

明治大学文学部准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。 現在の主な関心は、現象学から出発する倫理学・政治哲学を21世紀のコンテクストで(あらためて)立ち上げること。 >>業績

前田泰樹(まえだ ひろき)

一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(社会学)。社会学専攻。東海大学教授。>>業績

葛谷 潤(くずや じゅん)

日本学術振興会特別研究員(PD)。2016年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。>>業績
  • 「『論理学研究』における意味の独立性・非独立性について」(『現象学年報』29, 2013)

ブックフェア概要

>>新宿本店店舗案内
紀伊國屋書店 新宿本店

会場

紀伊國屋書店 新宿本店 三階 F26棚(人文・社会ジャンル付近)
  • 営業時間:10:00~21:00
  • 税込5,000円以上の購入で配送料無料。
    税込5,000円未満の場合は362円(税抜)。

会期

2017年8月14日(月)から一ヶ月間程度

お問合せ

新曜社03-3264-4973 (代表)

会場写真、ポスター、リンク

会場写真

祭りの会場はこちら。写真を取るときには店員さんにひと声かけて。ほかのお客さんが写り込まないようにしましょう。

ポスター

自由に印刷してお使いください。差し支えなければ、ポスター掲示状況の写真を掲示した場所に関する情報を添えて までお送りください(義務ではありません)。この場所に掲載させていただきます。

リンク

各種学会・研究会のWEBサイトやメーリングリストなど

告知にご協力いただいた学会・研究会。

ブログ

フェアをご紹介いただいたブログ。

ご自由にお使いください。

ブックレット:誤植修正

    備考
はじめに
解説 本書『ワードマップ』では、 本書『ワードマップ』では、
解説 などを紹介していただきました。 などを紹介していただきました。
1-1a 現代現象学の源流1
013* Husserl's Postion in the School of Brentano Husserl's Position in the School of Brentano
1-2  現代現象学──経験の哲学
038 Plural Action: Essays in Philosophy and Socia Science Plural Action: Essays in Philosophy and Social Science
2-2 善
解説 文献指示番号がずれている。(e.g. 54 → 56)
2-3 美
解説 佐々木 佐々木健一
2-5 魂
解説 他方で行為や責任の主体となり価値を把握する 他方で行為や責任の主体となり価値を実現する
3-4 法と社会
177 ノモス主権論への法哲学 ノモス主権への法哲学
3-7 現代現象学のライバル
225 戸田山和久『哲学入門』2014、勁草書房 戸田山和久『哲学入門』2014、筑摩書房