酒井泰斗・吉川浩満

非哲学者による非哲学者のための哲学入門読書会

梶谷真司(2018)『考えるとはどういうことか――0歳から100歳までの哲学入門』

梶谷真司『考えるとはどういうことか』

戸田山和久(2020)『思考の教室――じょうずに考えるレッスン』

戸田山和久『思考の教室』

作成 20220728|更新 20220920

連続読書会の趣旨と概要

この連続読書会は、酒井泰斗・吉川浩満「非哲学者による非哲学者のための(非)哲学の講義」のサブコンテンツであり、 一般向け哲学教育・哲学入門をテーマとする雑誌連載の準備作業として開催するものです。講義については下記案内ページをご覧ください。

趣旨

課題

広く読まれている哲学入門書5~6冊をとりあげ、二つの社会学的な観点から検討します:
  1. 哲学者たちは、外向けには、哲学がどのようなものであると呈示しているか
  2. 哲学者たちは、講読以外のやり方で(~哲学科に進まなかった人たちが)哲学の訓練を行うことについて、どのような具体的アイディアを持っているか
これをもう一歩ブレークダウンした下記観点を携えて、各著作を読んでいきます:

回の進め方と作業目標

想定参加者

開催概要

連続読書会対象書籍候補(順不同)

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参加申込

注意事項

参加資格

以下の条件を満たす方にご参加いただけます。

申込要項

記載事項 注記
 1  氏名 漢字+フリガナ
 2  Googleアカウントに登録しているメールアドレス  (他の参加者には共有されません)
研究会に関する連絡は Google Groups で行ないます。アカウントをお持ちでない方は、こちらから作成してください:
Google アカウントの作成
 3  所属  (他の参加者には共有されません)
 4  専攻もしくは関心、知的バックグラウンド 
 5  自己紹介 

※1, 4, 5は参加者と共有されます。
※連絡のために Google Groups を使うほか、ディスカッションやファイル共有のために Google Drive、Google Classroom などを利用する可能性があります。

スケジュール

※討議回(第四回)は参加費不要です。討議回のみの参加はできません。
※開催日は変更される可能性があります。

第一期: 梶谷真司(2018)『考えるとはどういうことか――0歳から100歳までの哲学入門』 読書会の日程

開催予定日 対象・範囲 課題
第一回 2022.10.02(日)10:00-12:30 本書全体 次回検討すべき章を2~3選択します
第二回 2022.11.06(日)10:00-12:30 どれか2~3つの章 詳細に検討すべき章を1つ選択します
第三回 2022.12.04(日)10:00-12:30 どれか1つの章 1つの章を取り上げて詳細に検討します
討議回 2023.01.08(日)10:00-12:30    

第二期: 戸田山和久(2020)『思考の教室――じょうずに考えるレッスン』読書会の日程

開催予定日 対象・範囲 課題
第一回 2023.02.05(日)10:00-12:30 本書全体 次回検討すべき章を2~3選択します
第二回 2023.03.05(日)10:00-12:30 どれか2~3の章 詳細に検討すべき章を1つ選択します
第三回 2023.04.02(日)10:00-12:30 どれか1つの章 1つの章を取り上げて詳細に検討します
討議回 2023.05.07(日)10:00-12:30    
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検討対象参考リンク

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読書会に参加される方へ

 趣旨文に記した通り、本会の最大の課題は〈哲学者たちは何を考えているのか-を知ること〉です。この趣旨に応じて、会のミニマムな課題は「そのテクストには何が書いてあるのか」「著者は何を述べているのか」「著者は何をしているのか」を知ること、に決まります。参加者に「その他のこと(たとえば読者各人の感想など)を語るな」といった制限を課そうとまでは思いませんが、しかしこの読書会にとってはそれらは二の次のことです。

 読書会の最中に、ずっと気にかけておいていただきたいのは、他のひとたちと一緒に読むからこそ使える

という問いです。読書会のスタイルには様々なものがありえますが、本会は、〈そう読める〉理由を お互いに提示しあうことで、そのテクストに何が書いてあるのかを明らかにするという課題に協力して取り組むことを目指します。実際のところ、この作業はそれなりに難しいので、ちゃんとやり始めると「個人の感想」などを述べている暇も余裕もなくなるはずです。

 そのような仕方で他人と本を読んだことがない人のために、以下、読書会へのオリエンテーションとして、ガイドとなる指針を幾つか記しておきます*。

* 読書会のなかで、さらに他の指針も紹介します。

直観からテクストに帰還する手法: 文献読解における二種の反省

 下図に、「個人の感想」を協働的な検討・討議へと変換・連結する準備のための図式を記しました。これは、テクストを読んでいるときにいつでも利用できるものです。

文献読解における三種の反省

出発点:①

テクストを読んでいるときに生じる様々な想念は、すべて読解と議論の出発点として使うことができます。典型的には「疑問」がそうですが、注意・関心が引かれたところ・目が奪われたところはすべて、議論の場に持ち出すことができます。①の箱は、その思念や疑問を文のかたちで述べるよう求めています。

筆者・文献の側の事情:②③

②は、①の想念が、文献の どこ[どこからどこまで]にもとづいて生じたのかを明示するよう求めています。③は、その場所②において、何が述べられているか・何が行われているかを言語化するよう求めています。

③が簡単には言語化できないこともあるのに対して、②は容易に特定できるのが普通です*。したがって、まずは最初に②の特定を目指してください。

* ただし、疑問を思いついたときにその場所をメモしておく、といった準備作業は必要です。実際の読書会では、場所を特定するのに時間がかかってしまい、なかなか議論へと進めない場面がよくあります。

読者の側の事情:④

テクストのどこかに疑問を持ったり、注意を惹かれたりすることには理由があるはずです。疑問も驚きも感慨も、突然に根拠もなく生じるわけではありません。④は、①が生じるために必要だった読者の側にある事情を明示化・言語化するよう求めています。

①②③④のうちでは、④がもっとも難しいことが多いでしょう。①と③のどちらが難しいかは場合によります。したがって、まずは②を、ついで① or ③を片付けてから、④に向かうのがよいでしょう。

二種の反省のフォーマット

①②③④の間には、以下の論理的な関係があるはずです:

執筆者の側の事情:⑤

(①)②③④の内容は、執筆者が置かれた条件の方からチェックすることができます。しかしこれは追加の解説が必要なので、ここでは措きましょう*。

* 読書会のなかで触れます。

 作業を分解したので、これは 〈そう読める〉理由を述べるという元の課題よりハードルが下がっています。また、①②③④のすべてを一度に埋められなくても議論は始め・進められます。お互いがというフォーマットを知っていれば、他の人の協力を得て空欄を埋められるかもしれません。

 まずは、この水準で、読解-議論を進めることを目指してみてください。

* この図は、朝日カルチャーセンターで行っている「非哲学者による非哲学者のための(非)哲学の講義」で 講読の指針として使っているものであり、以上に記した読解方針は 社会学の一流儀であるエスノメソドロジー研究を参考にして構想したものです。エスノメソドロジーについてはこちらの教科書を御覧ください:

より限定的=特定的な質問をするためのtips

同じことを、別の側面から論じてみます。 文献読解における三種の反省

間違った発言を無駄な発言にしない手法

しかし、ここにはさらに重要な事柄があります。
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使うことが望ましくない表現

自分の発言を「哲学のことはよく知らないので・哲学は素人なので」、「個人的な意見ですが」、「間違っているかもしれませんが」といった表現で総括的に修飾するのは ぜひともやめてください。これには二つの理由があります。

理由1

理由2:

指針

文献読解における三種の反省
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読書会に関するよくある質問

Q1.自分は論理的な思考が苦手なんですが、参加しても大丈夫でしょうか?
A1.主催者としては全く問題ないのですが、ご自身について心配されているのは具体的にはどんなことでしょうか。それを教えていただけたら、もっと別の返答ができるかもしれません。
Q2.少人数に分けたディスカッション、グループワークに類することを行う予定はありますか?
A2.ありません。基本的には
  • 主催者提供レジュメによる内容の確認
  • 事前のホワイトボードと当日の口頭質問などによる疑問・コメントの収集と、参加者全員での検討
が主となります。
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