公開日:2010年09月29日/最終更新:2010年 10月27日 ブックマークに追加する
socio-logic.jp『迷走する両立支援』対談&著者と読者の交流会

イベントの開催にあたって

 いま一度、働く母親たちの声に耳を澄ましてほしい。彼女たちはいったい、なにに喜び、怒り、悩んでいるのか。そこから見える社会とはどのようなものなのか。それは体験者にしかわからないと言っているのでも、体験者だけがすべて正しいのだと言っているわけでもない。この五年、なにかにつけ、日本社会が痛みのリアリティを失い、それを想像する力さえ萎えてしまったかにみえるいま、一人ひとりの体験のリアリティからもう一度、出発をするしかないように思えるからだ。

『迷走する両立支援』P.284 より)

 2006年に書かれた「迷走する両立支援」は、当時急速に進んだ政府による少子化対策の追い風の中、出産・育児を迎えた主に母親100名近くに取材を重ね、主に子育てと仕事の両立にかかわる幅広く複雑な問題を、丁寧に描いている本です。

 4 年も前に書かれた本であるにも関わらず、今年3-5月にツイッター上で紹介されたこの本は、日々、子育てと仕事に奮闘する多くの方々に読まれ、共感を呼びました。一人の ワーキングマザーがそのことを著者に伝えたところ、反響を大変喜んでいただけました。そこで、この問題に関心のある有志が集まり、「ワークライフバランス・カフェ」を結成。より多くのみなさんに、この本を知ってもらいたい。また、強い問題提起を行った本書を手がかりに、個人や個々の企業といったミクロの視点と、国や社会といったマクロの視点の双方からアプローチし、「より生きやすい社会、より幸せな人生」を叶える方法を考えてみたい。そんな想いから、このイベントを企画し、このたび開催に至りました。

 未だ本書を読んだことのない方にも、何か心に残せるイベントにしていきたい。育児だけでなく、介護や闘病、その他の「ライフ」について頭を悩ませている人にとっても、「観てよかった」と思ってもらえるコンテンツにしたいと考えています。第三部では、視聴者のみなさんのご意見を中心にご紹介するコーナーも設けています。

 家事に育児に仕事にと、忙しい日々を過ごされていることと思いますが、10月24日だけは、みなさんの貴重な2時間半をこのイベントのために頂けたら、私たちはとても嬉しく思います。

ワークライフバランス・カフェ

プロフィール

萩原久美子(登壇者)

生活経済政策研究所主任研究員、ジャーナリスト

山口正行(登壇者)

厚生労働大臣政務官秘書官/前・厚生労働省職業家庭両立課課長補佐

  • 1999年厚生省(現厚生労働省)入省。2008年7月から2010年8月まで、育児・介護休業法の改正やイクメンプロジェクトの推進に携わる。2児の父。自身も2009年10月に1か月間の育児休業を取得。

山口理栄(司会者)

育休後コンサルタント

  • 1984年総合電機メーカー入社。ソフトウェア開発部署にて基本ソフトウェアの開発に従事。2006年4月に社内のIT部門で発足したダイバーシティ推進プロジェクト初代リーダーに就任。2010年6月から現職。

ワークライフバランス・カフェ(イベント企画・運営)

このイベントは、働く父・母親10名によるボランティアで運営されています。(スタッフ日誌

ライフネット生命保険株式会社(協力)

  • ライフネット生命保険は「20代、30代の子育て世代の生命保険料を半額にすることで、安心して赤ちゃんを産み、育ててほしい」という思いで立ち上げた会社です。働く父・母親の育児についての情報を発信する“Lifedoor(ライフドア)” というブログサイトを通して、ワークライフバランス・カフェと今回のイベント企画をサポートしています。
ページ先頭↑入り口イベントのご紹介録画+資料の公開こころに響いた言葉たち