あらかじめ注意しておきたい。われわれが以下であの恐るべきテロに言及するのは、「この事件について論評できないような社会学理論は無意味である」といった理由によるのではない。逆にわれわれが強調したいのは、「理論の価値は現実に言及することにある」といった観念こそが、われわれを閉じ込めて現実から引き離している檻だという点なのである。そして今回のテロが示しているのは、まさにそのことなのだ、と。